祖父母の家を片付けている時に大量の “古本” が出てきました。
じーちゃんばーちゃんが読んでいた本だけでなく、母や叔父が読んでいた本もあるのでかなりの量があり、どれもとても古いものばかりです。
近所の古本屋に持っていってみようとも思いましたが諸々の事情で持ち込む事が出来ませんでした。
そんな時に “オンライン買取” の存在を知り、他に手段がなかったので試してみる事にしました。
結果、「そのまま捨てればよかった」という非常に残念な結末になってしまいました。
結果が結果なだけに利用したお店の名前は出せませんし、ボクが試したのはもう5年以上前のことなので今とはサービスの質が違うかもしれません。
本のオンライン買取を試してみたい人の参考になるかはわかりませんが、この記事でボクが “不要な古い本” を “オンライン買取” に出してみたときの “手間” や “結果”、”利用してみての想” についてまとめてみようとおもいます。
古本のオンライン買取を試してみようと思った理由
一般的には “古本の買取” というと某有名チェーン店へ持ち込む人が多いと思います。
今はフリマアプリやオンライン買取業者も多いのでそれらを利用する人も多いかもしれませんが、ボクが試したときはまだまだ業者は少なく、仕組みもよくわからずちょっと怖い印象でした。
なのでポジティブな考えで利用した訳でなく、必要に迫られて利用してみるしかなかったといった感じです。
過去の経験から古本の買取は無駄だから捨てようと思っていた
それまで自分のいらなくなった本や漫画を “ブック○フ” などの古本屋さんに持ち込んで買取してもらった事は何度かありました。
しかし、査定金額は非常に低く、比較的新しい本でも10円や5円がほとんどでした。
また、値段をつけてもらえない本も多く「こちらで処分しましょうか?」という言葉を何度も聞きました。
過去に値段がつかないと言われた本と同じもので、ボクのものより汚れが酷いものが100円コーナに並んでいたのをみた事もあり、「値段がつかないと言ってタダで回収した本を売っている」という邪推をしてしまうようになったので “古本買取” には良いイメージがありませんでした。
また、ネットで見た情報なので確かかはわかりませんが、このようなお店は “希少性” に関係なく、その本が発行された年代で査定・販売しているので古いモノには値段がつかないそうです。
祖父母の家から出てきた本はどれもとても古いものばかりなので、多分持ち込んでも査定は0円の可能性が高いと思いました。
近所の個人経営の古本屋に持ち込もうとして挫折
売りに行っても無駄足になると思っていたので、そのまま古紙回収で捨ててしまおうと思い縛って車に積み込んでいたところ、通りかかった知らないおじさんが「すごい量だねー、売りにいくの?」と声をかけてくれました。
ボクが「古すぎて買い取ってもらえないだろうから捨てるんす」と言うと、積み込んだ本を見て「これとかだいぶ揃ってるし売れるんじゃない?捨てる前に査定だけしてみたら?」と言うのです。
なんでもおじさんも前に自分の本を古本屋(個人経営)に持ち込んで結構良い値段で買い取ってもらえたそうで、そのときの話をしてくれました。
おじさんの話を聞いてすっかり影響されたボクはお礼を言って、後日売りにいく事にして積み込んだ本を降ろしました。
このときおじさんが持ち込んだ古本屋の場所や名前を聞いておかなかったのが大きな失敗でした。
売りにいく古本屋をどこにしようか、よくよく考えるとボクの生活圏内で個人経営の古本屋は何店舗かありますが、どこも商店街や狭い道に面していて、駐車場も無くアクセスがし辛い立地です。
中には営業しているのかわからない、入るのに相当勇気がいるお店もあり、持ち込み先にはかなり悩みました。
入りやすそうな雰囲気の良いお店を見つけましたがボクがいける時間には営業していなくて、しかも駐車場がなくて狭い道に面しているので店前に一時的に駐車するのも難しそうです。
店からちょっと離れたコインパーキングにとめて代車で運ぼうかとも思いましたが、量が多いのでかなり大変です。
買取してもらえなかった場合には駐車場代も赤字になるので持ち込みは諦める事にしました。
オンライン買取の存在を知り試してみる事にした
持ち込み先が見つけられずしばらく放置していた時に、ネットショップで買ったDVDの箱に “古本のオンライン買取” のチラシが入れられていました。
そのときはじめてオンラインで買取をしている業者の存在を知りました。
ただ、オンライン買取というと持ち込む訳ではないので送料や手数料を請求されないか心配でした。
そのチラシでは送料の事は書かれていなかったので、より詳しくサービスの説明を明記している業者をさがして利用する業者を決めました。
その業者は
- 買取時の本の送料無料
- 査定の手数料無料
- 査定結果が0円でも追加手数料、送料の請求無し
- 買取の場合の振込手数料無料
で、試してみるのは比較的安全そうな印象を受けました。
そこで、その業者にメールをして “買い取ってもらいたい本の量が多いこと”、”本が非常に古いこと” などを伝えたところ、詳細説明の為に電話をくれる事になりました。
オンライン買取業者に査定してもらうまでの手順
電話で詳細を聞き、かなり古い本でも送って問題が無い事は確認できました。
その電話で利用する時に必要な書類や注意点も丁寧に教えてくれました。
どの業者もそうなのかはわかりませんが、電話で細かく説明をしてくれた事で安心感は高くなりました。
利用方法や注意点に関してはPDF書類をメールでも送ってくれました。
注意点を確認して、同意出来るようならオンライン査定の準備を始めます。
教えて貰った手順は大まかに5つです。
手順①:売りたい本をダンボールに詰める
オンライン買取の業者はダンボール自体も送ってくれる場合があるそうですが、今回依頼した業者は専用のダンボールなどはありませんでした。
自分が売りたい本が入りそうなダンボールを自分で用意する必要があります。
これが意外と難しくて、本をいれてみたら入りきらなかったり、逆に隙間だらけになってしまったりでちょうどいい箱を見つけるまで意外と時間がかかりました。
本が大量の場合は無理に1箱にする必要は無いらしく、ボクは最終的に3箱に119冊の本を詰めて梱包しました。


手順②:身分証明書や買取金額の振込先情報を同封する
自分の身分証のコピーと振込先の金融機関の情報をダンボールに同封する必要があります。
特に決まった書類がある訳ではなかったので、運転免許証のコピーをとって、その紙の余白の部分に買取金額を振り込んで欲しい “金融機関の名称”、”支店名”、”口座番号”、”名義” などを記入しました。
身分証はダンボールに同梱する決まりになっていたので、3箱のうちの一箱にいれて現順に梱包しました。
手順③:買取業者に送るダンボールの個数と集荷日を連絡
梱包が完了したら送る前に業者に連絡が必要でした。
何箱のダンボールで何冊の本を送るのか、持ち込みまたは集荷の日は何日かを伝えてから荷物を送ります。
手順④:伝票を記入して持ち込みまたは集荷をしてもらう
梱包・業者への連絡も終わったら運送業者へ依頼します。
集荷にも対応してもらえるとの事でしたが、祖父母の家にいる時間帯に集荷してもらうのが難しいとの事だったので自分で持ち込みをしました。
業者していの方法で送れるように注意して伝票を記入して運送業者へ依頼したら完了です。
手順⑤:査定金額の報告メールを待ち、確認をする
買取業者へ届いた後数日で査定は完了するとの事でした。
査定金額は電話ではなくメールで受信するようにしてもらったので報告メールを待ちます。
メールが届いたら金額を確認して、納得できた場合は同意の旨を連絡すれば買取が完了します。
古本の買取業者から聞いたオンライン査定時の注意点
あくまで僕の依頼した業者の定めている注意点なので業者によって違いはあると思います。
ボクが受けた注意点は全部で4つでした。
①指定した運送業者以外の方法で本を送った場合の送料は依頼者持ち
僕が依頼した業者は “ヤマト運輸” の “ヤマト便” で “着払い” 伝票での送付が指定でした。
その為、佐川急便などの他社の運送会社を利用して査定して欲しい本を送った場合の送料は依頼者の自己負担になります。
また、ヤマト運輸の “ヤマト便” 指定なので、間違えて “宅急便” で送ってしまった場合も送料が依頼者の自己負担になってしまいます。
間違えた場合の送料が自己負担になると送料だけでかなりの出費になるので送る時に十分注意が必要になります。
②査定の結果は金額のみ通達で詳細に関しては教えて貰えない
複数の本を送って査定してもらった場合でも買取金額はまとめて “○○円” という形でしか教えて貰えないそうです。
また何故その金額での買取なのかは問い合わせても教えて貰えない決まりになっていると言われました。
その為、例えば100冊の本を送って査定してもらったとして、5,000円の査定金額だったとしても何冊が買い取ってもらえて何冊が無価値だったのか、はたまた一律1冊50円だったかなどは一切教えて貰えないそうです。
③査定金額に納得できなくて本を返してもらうときの送料は依頼者持ち
査定後に提示された金額に納得できない場合、査定してもらった本を送り返してもらう場合の送料は依頼者持ちになります。
大量に送った場合は返してもらう送料も高額になるので、「査定金額に納得できないけどその金額では手放したくない」という様な場合は大赤字となる可能性があります。
また、「特定の本だけ送り返してください」という希望にも応えては貰えません。
査定金額で全て売るか、送料自己負担で全て送り返すかの2択になるので、この点はきちんと理解しておく必要があります。
④査定金額に同意した後の本の返送は出来ない
提示された査定金額に同意した後に「やっぱあの金額ではイヤなのでやめます」というのは応じてもらえません。
僕が依頼した業者は買取に同意した場合、買取金額を “即日入金” してくれます。
その為、振り込まれた金額の返金などの問題で対応できないと説明を受けました。
これは業者によってだいぶ違うかもしれませんが、基本的に買取完了後のキャンセルはできないと考えておいた方がいいとおもいます。
古本のオンライン買取を利用してみて感じた “メリット”
メリット①:オンラインは買取業者を捜すのがすごく簡単
オンラインで買取をしている業者はネット広告を載せている業者も多く、そのほとんどがホームページを持っています。
その為、インターネットで「古本買取 オンライン」などで検索すればたくさんの業者がヒットします。
ボクは最初近所の個人経営の古本屋を探しましたが、ホームページもなく、営業しているかもわからないお店もあって時間をかけて探したのに結局見つけられずに挫折しました。
インターネットでは逆にヒットしすぎて選びにくいかもしれませんが、信用できるかはともかく比較サイトなどもあるので探す作業自体はとても簡単だとおもいます。
メリット②:送料、手数料が無料なので試しやすい
オンライン買取の存在を知った時に真っ先に気になったのが送料と手数料でした。
たくさんの古本を荷物として送る必要があるので箱は “大きく”、送料は “高額” になります。
また、査定料など何かしら理由をつけて手数料を取られる場面を想像しました。
しかし、実際には送料も手数料も “無料” で利用できました。
はじめて体験するものだったのでお金を掛けずに利用できたのは試してみるときのハードルを下げてくれました。
メリット③:集荷してもらえるので車が無くても大丈夫
業者によって違いはあるかもしれませんが、ダンボールに梱包さえすれば運送会社が自宅まで集荷にきてくれます。
これは車などの移動手段を持っていない人にはとても便利だとお思います。
車がないと大量の本をお店に持ち込むのは非常に大変です。
地元の古本屋でも出張買取はありますが、玄関先で査定されるのがイヤな人もいると思います。
ダンボールに詰めて運送業者に集荷依頼するだけで発送できるのは大きな利点だとおもいます。
古本のオンライン買取を利用してみて感じた “デメリット”
デメリット①:本は重量があるので梱包作業や運搬が大変
本は重量もあり、”折れ” や “破れ” などの破損にも注意しなくてはいけません。
その為、運送時の破損を避ける為には大きな箱に隙間だらけで入れる訳にもいかず、丁度入る箱を用意して丁寧に納める必要があります。
この作業が一番大変で、何度も入れ直し、入らなくて箱を変えて、今度は大きすぎて…といった感じですごく時間が掛かりました。
近所のブック○フに売りに行くのなら紙袋やダンボールに蓋が閉まらない状態で入れて持って行っても問題がありません。
オンライン買取を利用する上で避けては通れない作業ですが、正解が見えない作業なので大変でした。

デメリット②:買取金額や査定に関して非常に不透明
事前の注意点で聞かされていたのでボクは納得した上で利用しましたが、査定に関しては非常に不透明です。
どの本が買い取ってもらえたのか、いくらで買い取ってもらえたかの詳細は一切教えて貰えません。
その為、「まとめて○○円です」の報告だけで自分で判断しなくてはいけません。
ブック○フなどの対面での買取は「この本とこの本が○○円で、この本が…」といった形で詳細教えて貰えて、大まかな内訳がかかれた “譲渡・領収明細” という伝票も貰えます。
オンラインという性質上相手の顔も見えず、さらに査定の詳細も教えて貰えないのは信用の面でも大きなデメリットだと感じました。
デメリット③:査定に納得できなくても実質応じるしかない
ボクが利用したオンライン買取は業者へ送る送料は無料ですが、査定金額に納得できなくて送り返してもらう場合は依頼者の自己負担です。
また、特定の本だけ返してもらえると言った訳でもなく、送ったものをそのまま送り返してもらう形になるので送料は非常に高額です。
ブック○フなどだったら納得できなければ持って変えれば良いだけですが、オンライン査定は “持ってかえる=送料を負担する” ということです。
ボクは119冊の本を3箱に入れて送ったので、送り返してもらう場合でも当然、3箱分の送料が発生します。
80サイズと仮定しても軽く3000円以上がかかってしまう訳です。
その為、査定に出したら査定金額に関係なく “応じるしかない” という状況になってしまいます。
これは利用してみて一番大きなデメリットと感じています。
ボクがオンライン買取で査定をしてもらった結果
記事ので出だしで残念な結果と書いているのでもう想像はついていると思いますが “恨み節” を綴らせていただきます。
ボクが買取以来に出した本は119冊です。
どれも古い本で、中にはカバーが無いモノもあったので金額がつかないものもたくさんあったと思いますが、中には和紙のハードカバーに入った本や、全巻セットのものなどもありました。


それらの本に多少なりとも金額を付けてもらえると思いましたが、業者から受信したメールは「査定金額:0円」でした。
「0円ならじーちゃんの本は手元に取っておこう」なんて思いましたが、事前に聞いていた注意事項通り送り返してもらう場合の送料は自腹です。
査定金額0円で送り返してもらう送料負担では大赤字なので処分してもらうしか選択肢がありません。
ブック○フでさんざん聞かされた「タダで処分しますよ」をオンライン買取でも聞くはめになりました。
「タダで引き取った本を売るんだろうなー」という邪推が浮かびつつ、かといって送料を負担したら大赤字なので処分に同意するしか無いのが悔しかったです。
古本のオンライン買取を利用してみて感じた事
はじめてのオンライン買取の利用は査定金額も結果も非常に残念でした。
梱包は実店舗への持ち込みに比べて大変だし、査定結果も非常に不透明です。
査定結果に納得がいかなくても、大量の本を送ってしまった時点で同意する意外の選択肢が無くなる危険もあります。
ただ、冷静に考えてみると、オンラインの性質上避けて通れない “送料” が査定前に発生して、業者としてはマイナスからのスタートしているわけです。
届いた本がその送料分を下回れば査定金額は0円にしかならないんだろうし、もし仮に高額な買取金額の本があってもそこから事前かかった送料分が引かれるので近所の本屋に持ち込むより低い査定結果になるんだと思います。
もし仮に、事前に発生した送料を差し引いた金額を詳細に提示したら他社との比較に使われて「あの業者の査定は低い」という印象を持たれてしまう可能性もあるので査定の詳細は教えて貰えないのかもしれません。
古本以外でも “出張買取” に来てもらい査定してもらった結果、買取金額が低くてもその金額で同意するまで粘られてなかなか帰ってくれない、という話を何度か聞いた事があります。
出張買取もガソリンと時間をかけて “出張” してきているのでその分は取り返すという意思が業者側に強く出ていると思います。
オンライン買取では古本の送料が、出張買取では査定先に出向くガソリン代と時間が経費として発生している状態ではじまるので査定結果は期待できないと強く感じました。
元々価値の無い本を送ってしまった可能性も大いにあるのでしかたがありませんが、今後はオンライン買取は利用しないと思います。
まとめ
はじめての “オンライン買取” の利用は非常に残念な結果でした。
ただ、もともととても古い本を送っているので本当に無価値だった可能性を考えると何とも言えません。
地元の古本屋に持ち込んでも査定は0円だったかもしれませんが、その場合は持ち帰ってとっておく本だけを手元に残してあとは古紙回収で処分できます。
大量の本なら過去記事に書いた古紙回収で各種ポイントを貰えるサービスを利用して少しでもポイントをゲットすることも出来ます。
利用する前に注意点に気がついていれば良かったんですが、査定に出した後に気がついても後の祭りです。
査定が終わった後だから言える事なのですが、”梱包・持ち込み” に時間をかけずにそのまま捨ててしまえば良かった、というのが利用後の感想です。
かと言って、そのまま捨てたら捨てたで「売れば高い本もあったかも」と後悔する可能性が高いのが自分でもわかっているので、今後は不要な本は大手の古本屋に持ち込んで微々たる買取金額で納得、金額がつかなかった本は古紙回収サービスで “ポイント化” していこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。 にわけもの