もう1年以上前になりますが、近所に住む遠縁の “親戚” のおじさんの “終活” を手伝いました。
奥さんはもう10年以上前に亡くなって、娘や息子も東京で家庭を築いていたので、おじさんはマンションで一人暮らしです。
かなり遠縁ですが、近所という事もあり昔から付き合いがあり、うちの両親はたまに様子を見に行ったりしていました。
そのおじさんに、急遽 “終活” 兼 “引っ越し” が必要になってしまいました。
全く想定していなかったタイミングで、突然、短時間でおこなう必要があったので、そこからが本当にめちゃくちゃ大変でした。
やはり「”終活”、”断捨離” をはじめるのに早いに越した事は無い」と強く思った体験だったので、その “体験” と “大変だった点” をこの記事でまとめてみたいと思います。
なぜ “急” に親戚の終活が必要になったのか
それは、おじさんの “怪我” をきっかけに “老人ホーム” に入る事が決まったからです。
すごく元気なので想像もして今sんでしたが、おじさんはもう80代半ばで骨がだいぶ脆くなっていたようです。
ある日買い物途中で転んで手の骨を折ってしまい、そのまましばらく入院する事になりました。
入院生活はそれほど長い予定ではありませんでしたが、一人暮らしなので退院後の生活が困ってしまいます。
そこで、東京に住むおじさんの息子と娘が東京の老人ホームへの入所を決めて、退院したその足でホームに入る事になってしまいました。
持ち家だったマンションの売却もすぐに決めてきたらしく、明け渡しまでの期限は “半月” ほどしかありませんでした。
その為、期限も無く、本当に “急” に “終活” 兼 “引っ越し” でマンションを空にする必要がありました。
【愚痴】なぜ親戚の終活で私がめちゃくちゃ苦労したのか
これを話さないと「なんで親戚の終活をあなたが?」と思う方もいるかもしれないので、少し愚痴になりますが理由を書かせていただきます。
それは、おじさんの息子&娘(東京住み)が “遠くに住んでいる” 事と、”時間がない” 事を理由に私の両親に泣きついてきたからです。
後で母に聞いた話からは、”断ったら罪悪感を持たせる” 様な頼み方だったように感じました。
自分たちの苦労話を長々とし、毎週末片付けにいくのに「片道何時間」「新幹線代とタクシー代で○○円」と片付けにいく事の大変さをひたすら語っていたようです。
あげく、「車を持ってないからゴミも運べないし、どうしたらいいんですかね?」って言ったらしいです。
仕方が無いので、母が「お父さんと私で手伝ってあげるよ」と言ったら、いつの間にか手伝いではなく “丸投げ” されてしまったそうです。
自分の親の “終活” 兼 “引っ越し” を親戚とはいえ遠縁の人に丸投げしますか?本当にあきれてしまいました。
両親が苦労するのも可哀想なので、代わりに私が片付けをする事にしました。
私が親戚のおじさんの終活でマンションの片付けをはじめる前にした【防衛策】
考え過ぎだったかもしれませんが、もしもの時を考慮して防衛策として同意書にサインを貰いました。
同意書の内容は
①とっておきたい物は自分たちで事前に確認して一カ所にまとめて印をしておく
②貴重品は事前に自分たちで持ち帰っておく
③それ以外のものはすべて処分していい
④処分するの可燃ゴミで出せるものだけ
⑤不燃ゴミ・粗大ゴミの処分は業者への依頼から支払いまで自分たちでする
⑥片付け・処分後に一切意見しない
⑦どんな結果になってもこちらは一切責任を負わない
といった感じです。
他人に自分の親の家の片付けを丸投げしてくる “非常識” さから、後になって文句を言ってくるかもしれない可能性を警戒しました。
特に②は個人的に重要だとおもっていて、あとで「ここにあった○○が無くなっている」なんて言われでもしたら面倒過ぎます。
事前にサインを貰い、残っている物には貴重品は無い&捨てられても文句は言わない状況にしておきたかった訳です。
そして、①を理由に最低でも1回はこちらへ来て、おじさんの生活を確認させる事も目的の一つでした。
私の様な状況で家族以外の家の片付けをしなくてはならない方はほとんどいないと思いますが、もしそのような方がいた場合は自己防衛の為にも事前の取り決めはしっかりしておく事をおすすめします。
片付けの始まり:身内による必要なモノの選別
おじさんはかなり裕福だったので、一人暮らしでしたがマンションは3LDKでした。
2部屋は使っていませんでしたが、それでも長年の生活で溜まった荷物はかなりの量です。
ただ、おじさんが入る老人ホームにはタンス一竿に収まる荷物しか持ち込めない決まりでした。
東京に住む娘夫婦も息子夫婦も家に余分なスペースは無いそうです。
その為、残す(東京へ持って行く)荷物は最小限にするらしく、マンション内の荷物は少なく見積もっても9割以上処分する必要がありました。
大事な物(残す物)は他人にはわかりませんが、当時おじさんは入院中です。
おじさんの娘が一日だけこちらに来て、荷物の選別の作業をはじめました。
そして、部屋の隅に残しておく物をまとめて、”風呂敷” を掛けて判別できる状態にして東京へ帰っていきました。
燃えるゴミをひたすら捨てる作業
おじさんのマンションがある地域の燃えるゴミの回収は毎週 “火曜日” と “金曜日” した。
なので、月曜日と木曜日の夜はおじさんのマンションに行って燃えるゴミを市の指定ゴミ袋に詰める作業をしていました。
とにかく目につく燃える物をひたすら詰めていきます。
洗剤や調味料は新聞に染み込ませたり、手間がかかるので後回しです。
一番玄関に近い部屋に業者に依頼する “大きなゴミ(家電、粗大ゴミ)” をまとめる事にして、奥の部屋からどんどん片付けていきました。
一回の作業で2~3時間ほど、45Lのゴミ袋を5~6袋はまとめていました。
ゴミをまとめるまではそれほどの労力ではありませんが、問題は1階のゴミ置き場への移動です。
一度に大量に出すと他の住民の方に迷惑がかかってしまう可能性があります。
一回に3袋くらいづつ出そうと思っていたんですが、幸いにもマンションの管理人さんが事情を知っていて、ゴミ置き場とは別に “小さな倉庫” を開けてくれて出ただけのゴミ袋を全て置かせてくれました。
そして、ゴミの日の朝に私の代わりに出してくれました。
朝私や両親がゴミ捨ての為にマンションに行くのは正直大変だったので本当に助かりました。
“燃えるゴミをまとめては処分する” という作業だけで2週間(4回)掛かりました。
ゴミ袋も30袋近く出したと思います。
大きな家電、家具、処分方法がわからないものは業者に依頼
冷蔵庫や洗濯機といった大きな家電や、ベッドのマットレスや絨毯などは個人で捨てる場合には苦労します。
特に “運ぶ” のにも “処分” するにもにお金が掛かる “リサイクルが必要な家電” は個人で処分するのはとても面倒です。
自分で処分する場合には “リサイクル料金” を前払いして、指定の処分場へ持ち込む必要があります。
過去に自分のテレビや冷蔵庫を自力で処分しましたが、手間と時間が想像以上に掛かってあまり節約できたイメージはありませんでした。
事前に “処分業者” を使う同意は貰っていたので、業者を依頼する様に連絡をして、専門業者に処分を頼む事にしました。
この時の経験は長くなるので別の記事で詳しくまとめる予定ですが、本当に便利であっという間に片付きました。
トラックのスペースに余裕があって、残っていた燃えるゴミも45Lの袋も5袋ぐらい持っていってもらえました。
大きな家電、家具が無くなった事で作業が一気に進んだ様に感じるほど室内がスッキリしました。
見落としていたベランダの片付け
部屋はだいぶスッキリして、何とか期限までにマンションを空にできるかと思って安心していたら見落としを見つけてしまいました。
それがベランダです。
親戚のおばさんも、うちの両親も、私も、それまで誰一人としてベランダに出ておらず、完全に見落としていました。
夏だった事もあり、エアコンを効かせながら作業していた、作業が夕方から夜でカーテンも閉めたままだったのが原因だと思います。
幸い、大した荷物は無くて、物干竿、洗濯道具、サンダル、脚立ぐらいでした。
物は多くありませんし、物干竿は伸縮するタイプだったので自宅に運んで後日処分することにしました。
たまたま何とかなるレベルで済みましたが、もしおじさんが私の様にベランダで植物やメダカを育てていたら完全にアウトでした。
“済んだ” とおもっても意外な見落としはあるかもしれないので注意が必要ですね。
片付け・処分に掛かった時間
結局、マンションの明け渡しの3日前にゴミの処分の完了しました。
両親が片付けを押し付けられた事を知ってから15日間で終わりました。
“全て処分していい” という状況で、ひたすら捨てていくだけだったので何とか終わったという印象です。
もし、”とっておくもの” を選別しながらやっていたらとてもじゃ無いけど終わらなかったと思います。
そして、マンションの管理人さんの助けが本当に大きかったです。
ゴミをまとめるまではいつでもできますが、ゴミを出すのは回収日にしかできません。
それに、マンションの回収ボックスに一度に大量のゴミ袋を詰める訳にもいきません。
管理人さんが別の置き場所を提供してくれて、ゴミの日に私たちの代わりに出してくれたおかげで大量の燃えるゴミを公共サービスを利用して処分する事ができました。
そして、一番大きかったのはやはり専門業者を依頼した事でした。
正直、自分が払う立場なら軽トラ1台分で3万円は勿体ないと思ってしまいますが、実際に利用してみたら依頼しなければ絶対に間に合わなかったと思います。
費用対効果が非常に高くて、おじさんの家の片付けをしていた中で唯一いい経験になったとおもいます。
終活をはじめるのは早いに越した事はない
私は当時あまり “終活” についての知識が無く、”終活は少しずつやっていくもの”、”事前に準備でしておくもの” というイメージしか持っていませんでした。
まさか、”怪我 → 老人ホーム” の流れになるとは思ってもいませんでした。
充分にあり得る事なのに、幸いにも自分の家族や親戚、知人に老人ホームに入った人がいなかったので全く想定していない形でした。
また、”老人ホームに入るからマンションを売却” となると片付けに使える時間もすごく短い事をはじめて実感しました。
売却を延ばせばそれだけ “管理費” が掛かるそうです。
限られた時間で今までの生活を片付けるのは本当に大変で、ましてや一人ではほぼ無理です。
やはり、体が元気なうち、車がある・運転できる内にすこしづつ進めて、いつどんな状況になっても家族の苦労が最小限になる様に備えておきたいと、改めておもう体験でした。
まとめ
おじさんは仲良くしていましたが、おじさんの娘さんとは面識が無く、今回の件で印象は最悪になりました。
私はもう関わる気がないし、多分両親も同じだと思います。
身内が亡くなった時にもめるのはよく耳にしますが、まさか遠縁の親戚のおじさんが生きているうちから、その娘たちによってこんな目に巻き込まれるとは思ってもみませんでした。
これを読んでくれているかたにそんな非常識な方はいる訳ありませんが、自分や自分の家族の “終活” は自分たちでやってもらいたいものですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。 にわけもの