「パニック障害はある日突然良くなる事がある」と昔何かで読んだ記憶がありました。
「そんな事があったらどんなにうれしいか」多少の希望を持つ事が出来ましたが、実際にはぼくにはそれは起こらないまま長い年月が経っていました。
しかし、まさかそれが本当に自分の身にも起こるとは思ってもみませんでした。
あまりにもうれしい出来事だったので、この記事ではぼくのパニック障害の症状が “劇的に改善したのを実感した日” の体験をまとめておきたいと思います。
この記事を読んでくれる人へのお知らせ・注意点
この記事は医療の専門知識がないぼくが個人の体験談をまとめているだけです。
その為、何故良くなったのか、完全に良くなったのかは完全には判断できていません。
もしかしたらぼくと似た行動をして症状が悪化してしまう可能性もありますし、その場合でも責任は取れません。
自分の考えをまとめるのと備忘録として作成しているので「こんなこともあるんだね」ぐらいの気持ちで読んでいただければ幸いです。
以上の点をふまえた上で、それでも読んでいただけたらとってもうれしいです。
“苦手”を避けていたら出来る事が少なくなっていきました
人によって症状が違うように、症状が出やすい場面、苦手な場所やシチュエーションも人それぞれだと思います。
ぼくも長年かけて苦手な場所・状況はドンドン増えていきましたが、その中でもぼくが一番苦手なのは “人混み” です。
人混みは “人酔い” してしまうのと、人混みの多い場所は自分の意思でその場から離れるのが難しいのでとても苦手です。
そしてなにより、人混みで大勢の人の前で体調が悪くなってしまって、その場にいた人迷惑をかけてしまったり、注目を集めてしまう事が怖くて近寄らないようにしていました。
“人混み” というとライブ会場やお祭りの様なレベルを想像されるかもしれませんが、”近所の混んでいるスーパー” ぐらいでも避けていました。
そうして「発作が出るのが怖いから避ける」を繰り返していた結果行ける場所はどんどん少なくなっていきました。
趣味関係のイベントももう10年近く全く参加していませんし、大型商業施設にもよっぽどの事が無いと立ち寄らなくなっていました。
何故、苦手な”人混み”に出かけてみる気になったのか
イベント関係は特に苦手なのでいつもだったら絶対に参加しませんが、その日開催されていたイベントは数年前からずっと気になっていたものでした。
はじめて知ったのはもう3~4年前だと思います。
毎年春と秋の年2回開催されているペット関係のイベントで、会場も自宅から車で30分ほどの場所なので地域の情報紙でチラシを目にしました。
その後は参加された方の “ツイート” や “ブログ記事” を見て参加したいと思うようになっていましたが、いざ開催日当日になると “怖くなって行けない”、”体調を理由に行くのを止める” という行動を繰り返して参加しないまま今年に至りました。
今年も1月の下旬ぐらいにイベント情報を発見してそれから一ヶ月以上楽しみに過ごしていましたが、イベントまで後一週間を切ったぐらいから “不安” と “恐怖” を想像してしまい、今年も不参加になる予定でした。
しかし、今年はなぜか当日の朝に「行かない」ではなく「行けそうだな、どうしようかな?」ぐらいの気持ちでした。
過去の経験から当日の朝に行くか止めるかの “選択肢” がある事自体が自分でも驚きだったので、滅多に無いチャンスだと思って出かけてみる事にした訳です。
様々な状況に備えた準備をしてイベントに参加
せっかく気持ちが少し前向きになって “苦手な場所” へ向かう気になったのに、会場で体調が悪くなって “失敗の記憶” で終わってしまっては勿体ないので、もしもの時に備えて準備は万端にして出かけました。
“頓服薬” はもちろん気分を紛らわせる為の “龍角散ののどすっきり飴”、飲み物もすぐに取り出せるようにバッグに準備して行きました。
また、ぼくは不安の発作が出たときはうろうろと歩き回ると気が楽になるので、会場周辺で歩き回れる様な人の少ない場所があるかを入場前に確認しました。
もちろん、普段から愛用している “シリコンゴム” も手首にはめて行きました。
※↑シリコンゴムについて気になる方は “弥永英晃” 先生の「症状改善率98%のカリスマ心理カウンセラーが明かす パニック障害の不安がスーッと消える17の方法」を是非読んでみてください。おすすめです。
苦手な人混みで不安発作が出たのに押さえ込む事が出来た
いざ会場に着くと、人気のイベントという事もあって会場はものすごく混雑していました。
“混んでいる” というより “すし詰め状態” といった感じです。
まともに歩けるスペースなど無く、みんながぶつかり合いながら各ブースを回っている感じです。
入り口でその光景を目にしてしまったので一瞬入るのをためらってしまいましたが、すぐにぼくの後ろに人の列が出来て行ってしまったので思わず入場してしまいました。
会場に入ってみると外から見た光景よりも更にすごく、沢山の人と肩がぶつかり合って、ブースを見る余裕はまったくありませんでした。
うごめく人混みに気分が悪くなり、いつもの “脳貧血” の症状が出て「ヤバいかも」と不安になりました。
脳に酸素が行っていない気がして、血の気が引く気がして不安は強くなっていきましたがいつもよりは冷静で、頭の中で「輪ゴムと深呼吸だ」と言い聞かせて人混みに飲み込まれながら手首のシリコンゴムを使う “リラクゼーション” と深い “腹式呼吸” を意識的に繰り返しました。
すると、いつもなら「多少楽になる」位の効果しか感じていなかったのにこの日は症状がすぐに完全に良くなりました。
自分でも驚きながら会場を回り、その間3回ほど不安発作が出かけましたが全てこの方法で納める事が出来ました。
そのおかげで会場には1時間30分ほど滞在し、気に入った商品も購入できました。
混雑している大型商業施設に立ち寄ってみた結果
会場から出て自分の車に戻ってから今起きた事を思い出してみましたが、やはりいつもより調子がいいように感じました。
朝感じた “漠然とした自信” といまの会場での “成功体験” はここ数年で感じた事が無かったものです。
これがたまたまなのか、症状が改善しかけている状態なのか確認する為に他にも “苦手な場所” に寄ってみる事にしました。
選んだのはイベント会場から自宅へ帰る途中にある大型商業施設です。
ここは数十店のテナントが入っているので人が多く、陳列されている商品などとにかく情報量が多すぎて苦手な場所です。
5年ほど前に発作を出して以来行っていない施設です。
実験のため施設内をなるべく端から端まで歩いてみる事にしました。
結果、不安を感じる事ももちろん脳貧血の症状も全く出ず、人の目が気になる訳でもなく途中、施設内のスーパーでも買い物までする事が出来ました。
先ほどのイベント会場と同様に今までの自分では考えられないほど平然と買い物を済ませる事が出来て驚きました。
過去何度か発作が出た店に立ち寄って確認してみた結果
“混雑しているイベントへの参加”、”混雑している大型商業施設での買い物” をすませる事が出来て驚きながらもうれしくてたまらなかったので、最後に自宅近所の薬莢に寄ってみる事にしました。
ここは混雑している訳ではありませんが、過去何度か買い物中やお会計中に “不安発作” が出てしまい「苦手な場所」と印象づけてしまっている薬局です。
店内はいつも通りそこまで混んでいません。
日用品や食品を選んでレジに行くまで10分ほどだったと思います。商品を選んでいるときも、お会計している時も不安発作が出る素振りがまったくありません。
それほど大きなお店ではないので買い物は短時間で済みましたが、それでも過去何度も発作が出たお店でも “冷静” に、というか全く意識せずにいられました。
症状が劇的に改善した心当たり、最近取り組んでいた事
“イベント会場”、”大型商業施設”、”トラウマに感じている薬局” と普段では避けている場所をことごとく克服できたのには本当に驚きました。
特にイベント会場から順にだんだん不安が出なくなっていったのはドンドン改善していっている感じがして思わず “うきうき” してしまいました。
自宅に帰ってからその時の事を思い返したり、この記事をまとめながら “症状が劇的に改善した心当たり” を考えていますが「やはり “筋トレ” なのかな?」といった感じです。
と言うのも、まだ半月ほどしか経っていませんがここ最近 “筋トレ” の方法を変えたのです。
それまでは楽なので速いテンポで回数をこなすトレーニングをしていましたが、最近は “持久力” アップを意識して一回一回をゆっくり行う方法に変えたんです。
“筋トレ”・”トレーニング” と入ってもごくごく簡単なものだけですが、具体的には “7秒スクワット” と言われるスクワットをメインに行っていました。
「”瞬発力” の筋肉ではなく “持久力” の筋肉を増やせば体力も…」という素人考えでやっているだけですが、それ以外にここ最近取り組んでいた事は無いので、これが良い効果を出してくれたのかな、と思っています。
もしかしたら、別の日には発作が出まくって「やっぱりあの日だけマグレか…」となってしまうかもしれませんが、しばらくは持久力をイメージした筋トレを続けてみようと思っています。
まとめ
たまたまその日が良かっただけなのか、回復に向かうきっかけの日だったのかはまだわかりませんがここ数年で一番快適で気分がいい一日でした。
まさか自分がイベントに参加できる日が来るとは思っていなかったので、本当に人生は何が起こるかわから無いモノだなとおもいました。
願わくばこのまま症状が一切でず、どこにでも行けて何でも出来る生活に戻れたらと願うばかりです。
同じ症状で悩まれているみなさまにも “症状が劇的に改善するのを実感できる日” が一日でも早く訪れる事を祈っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。 にわけもの