過去の記事でも書きましたが、ボクはパニック発作が出てしまう事があります。
今回の記事では、そんな僕が苦手な歯医者さんに行けるようになった経験談から導き出した、受診する際の工夫をまとめています。
※あくまでボクに効果があった方法です。実行するかは自己判断・自己責任でお願いします。
歯医者が苦手でも行かなくてはならない時は来る
どんなに苦手でも、歯の痛みや治療済みの箇所の不具合、メンテナンスで歯医者さんへ行かなくてはいけない時は誰にでも来ます。
パニック発作持ちの人で歯医者さんが苦手な人は多いと思います。
できる事なら避けて通りたい気持ちもありますが、自然治癒は望めないし、後回しにする事で状況がさらい悪くなる事が容易に想像できます。
症状が悪化すると大きな病院の口腔外科に行かなくてはいけなくなることもあり、街の歯医者さんよりも時間もストレスも大きくなります。
苦手でも、近所の歯医者さんで治療できるうちに早め早めに受診して、なるべく被害が少ないうちに治療を開始しましょう。
歯医者さんの何が怖くて苦手なのか理由を認識する
漠然と「歯医者さんが怖い」ではなかなか対処法にたどり着けません。
「歯の状況が悪く先生に怒られるんでは」と言う恐怖を抱く人もいると思いますし、「ドリルで削られるのが怖い」という人もいると思います。
「怖い・苦手」ではなく、理由を挙げて確認します。
まず、ボクは自分の持っている症状とどういう関係で歯医者さんが苦手か考えました。
ボクが恐れているのは大きく分けて
①その場を離れる事ができない時間
②発作が出て焦っているを人に見られるのが嫌だという意識から人混みが非常に苦手
の二つです。そういった場所や場面ででる発作や、発作の息苦しさで併発する脳貧血の症状に非常に恐怖を感じます。
①その場を離れる事ができない時間
歯医者さんを受診するときに想定される「その場を離れる事ができない時間」は何かを考えてみます。
まずは診察を受ける前の待ち時間、次に治療を受けている間、最後は支払いで呼ばれるまでの待ち時間です。
当たり前ですが、歯医者さんにいる間はほぼ当てはまります。
②発作が出て焦っているを人に見られるのが嫌だ
これはプライドと言えるものなのか、人に迷惑をかけたく無いという意識から常に持っている恐怖心の元でした。
①が苦手な理由でもあるので、当然こちらも歯医者さんにいる間のほぼすべての時間に当てはまります。
でもこれはまだ自分が想像している漠然とした恐怖や苦手意識です。
苦手な事が歯医者さんではどうなのか考えてみる
おおまかな理由を認識できたら次はもうそれらを少し細かく想像してみました。
すると、歯医者さんの受診では起こりにくいものがあるのがわかりました。
治療前の待ち時間
ボクが行っている歯医者さんは普通の個人経営の町の歯科医さんです。
受診は完全予約制で、前の人の治療が長引いていなければ、予約時間にいけば待ち時間ほぼゼロで受診できます。
今回のコロナ騒動で話題にもなりましたが、だいたいどこの歯医者さんも予約制で待ち時間なしのところが多いみたいですね。
ボクは待ち時間や、発作が出て焦っているを人に見られるのが嫌だという意識から混雑している場所が非常に苦手です。
歯医者さんに関しては待ち時間がほぼ無いので”待ち時間”も”混雑”も問題が無いと認識できました。
治療を受けている間の時間
これはどうしようもありませんが、治療中は”先生”と”歯科助手さん”しかいません。
正直、発作が出てしまったら”怖い”、”発作で焦っている状態を人に見られるのは恥ずかしい”と感じてしまっているんですが、もし症状が出ててしまったら「体調がすぐれません」と伝えればなんとかなるので、混雑や終わりが見えない待ち時間での拘束から考えればかなり気が軽くなります。
症状が出る事を漠然と怖がるよりも、もし出てしまった時に対処できる可能性がある方法を考えておくだけでだいぶ気持ちが楽になると思います。
支払いで呼ばれるまでの待ち時間
過去に内科を受診後の待ち時間で30分以上待たされて発作が出てしまった経験からくる苦手意識です。
しかしこれも、治療前の待ち時間について考えていたときにわかった通り、完全予約制の歯科医で治療スペースを超える人数が待っている事は少なく、治療後の待ち時間も治療費の計算の時間だけなのでほんの数分です。
内科などを受診した際の苦い経験は歯医者さんでは心配しなくていい事がわかりました。
実際に受診してみて感じた想像との違い
自分が歯医者さんに感じている恐怖・苦手意識がなんなのか、その恐怖は本当に起こり得るものなのか確認して心の準備ができたら気持ちが変わらないうちに勇気を出して受診です。
ボクが実際に歯医者さんを受診して感じた
①治療前の待ち時間
②治療中の時間
③治療後の待ち時間
が事前に想像していたものに比べてどうだったかをまとめておきます。
①受診して感じた、治療前の待ち時間
事前の予想どおり待ち時間はほとんどなく、歯医者さんに入って受付で名前を伝えると1分も待たずに診療室に通されて治療が始まりました。
待合室もボクの他には子供か親の付き添いできたっぽい女性がひとり雑誌を読んで待っているだけだったので快適でした。
②受診して感じた、治療を受けている間の時間
治療を受けている間はほぼ歯科助手さんか先生が話しかけながら治療してくれていたので発作の事が頭をよぎる事もなく、結果30分ほどの治療中に発作が出る事はありませんでした。
先生が他の患者さんを治療している時も、ただ待たされるんではなく、歯科助手さんが歯石の除去などをやってくれているので待機している時間がありません。
ボクは一人で待たされている時間があると不意に発作の事が頭をよぎって、まるで自分で呼び起こしているように発作を出してしまう事が多々あります。
内科では診察中でも検査の順番待ちや、先生待ちなどで待ち時間がありますが、歯医者さんではそれがほとんど無いので予想外にあっさりと治療を受ける事ができました。
③受診して感じた、治療後の待ち時間
これも①のことから想像がつきますが、待っている人がいないので受診前の想像どおり治療費の計算だけで、5分も待たずに呼ばれて支払いと次回の予約ができました。
その時の待合室はボクだけしかいなかったので受診前同様、すごく快適でした。
歯医者さんに入ってから治療を終えて出るまで40分ほどでしたが、内科や外科を受診するよりもかなり快適に治療を受ける事ができました。
治療時にやっていたパニック障害対策
結果として診察も治療も発作を出さずに乗り越える事ができましたが、実は少しだけ対策をしていました。
その対策とは、先生に事前に症状を伝えておく事でした。
ボクの場合は「数年前に体調を崩してから病院が苦手になってしまって、緊張するとパニック発作が出てしまう事があります」と治療前に伝えました。
すると、やはり歯医者さんに来る人で治療中に過呼吸や焦りからくる発作が出てしまう人はたまにいるらしく、「大丈夫ですよ、気分が悪くなったらすぐに教えてください」と言っていただき、すごく気分が楽になりました。
ただひたすら恐怖を隠して治療を受けるよりも、自分の感じている恐怖を伝えて、もし発作が起きてしまっても対処してもらえる状況にしておく事で安心感が生まれます。
ボクの場合は発作について伝えましたが、「ドリルで削られるのが怖い」や「歯の状態が悪くて怒られるんじゃ無いかと不安」という場合でも伝えてしまったほうがいいと思います。
先生に直接でなくてもいいので、診察室に通されるときに歯科助手さんなどに相談する形で伝えれば、歯科助手さんから先生に伝えておいてくれたり、安心させてくれたりします。
ただ伝えるだけですが、中には自分の恐怖を伝える事に躊躇して隠して、ひたすら我慢している人もいると思います。
ひたすら我慢していると治療中も緊張して恐怖が出やすくなってしまうので、治療前に自分の症状や、不安に感じている事は伝えてみるのをおすすめします。
まとめ
今回の記事の事前対策で、完全に症状が出なくなったわけでは無いですが、だいぶ軽い気持ちで受診できるようになりました。
自分の感じている恐怖がどんなもので、どんなときに出る可能性があるのか。
その可能性は、歯医者さんを受診しているときにも当てはまるのかを事前にしっかり考えることで治療前の恐怖心は少し和らぐと思います。
そして、治療前には不安に思っている事や、自分の症状を先生や歯科助手さんに伝えておくことで、もし発作が出た時にすぐに対処してもらえる安心感がうまれます。
今でも歯医者さんが得意なわけではありませんが、恐怖心はだいぶ和らいでいるので受診も苦ではなくなっています。
歯医者さんが苦手な人、怖くて行きたく無い人はまず自分が歯医者さんに抱いている恐怖を細かく分析してみる事から始めてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。 にわけもの