前回の記事で ineoの “T2566-II” というポータブルHDDエンクロージャーを紹介しました。
元々は “データの防災” を目的とした “【2023】データの防災におすすめなポータブルHDD3選” という記事で【番外編】として取り上げた商品です。
今回紹介したいのはその新モデル【T2580・C2580】という商品です。
“T2580/C2580” も “T2566-II” と同様に “HDDエンクロージャー(HDDケース)” になります。
当時は “T2566-II” の見た目とタフさが気にいってデータの防災対策の購入候補として紹介しました。
しかし、T2566-IIはすでに生産を終了してしまったことがわかりました。
そして “T2580/C2580” は新型なだけあり、T2566-IIよりも更にタフで高性能な商品だという事がわかりました。
この記事では、
・T2580/C2580の詳しい紹介
・旧モデル “T2566-II” にくらべて “T2580/C2580” が優れている点
・T2580/C2580の少し気になる点
など、 “T2580/C2580” の魅力的な部分を紹介したいと思います。
ineo【T2580/C2580】について
“T2580/C2580” は “ineo” という会社が販売している、2.5インチの “ポータブルHDDエンクロージャー(ケース)” です。
生産が終わった “T2566-II” の新型で現行商品です。
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【T2580】はUSBケーブルが “USB-A”
【C2580】はUSBケーブル “USB-C”
になっています。
“エンクロージャー” なので取付けるHDDやSSDは自分で用意する必要があります。
9.5mmと7mmの厚さの2.5インチのHDD/SSDを取付け可能です。
通常は衝撃や水分に弱いHDD/SSDを手軽に “耐衝撃・防塵防水” 仕様にする事ができ、そのタフさから “非常時” はもちろん “日常”、”趣味” など幅広いシーンでの活躍が期待出来る商品です。
ineo【T2580/C2580】の魅力的なポイント
T2580/C2580 の魅力は
① 米軍の落下試験規格+独自の落下テストをクリアした “耐衝撃性能”
② 150kgの重さにも耐えられる強度
③ “IP66” の “防塵防水性能”
④ 性能に対して価格が非常にリーズナブル
の4つです。
それではそれぞれについて、旧モデルの “T2566-Ⅱ” との比較も交えながら詳しくまとめていきます。
魅力①:米軍試験規格+独自の落下テストをクリアした耐衝撃性能
T2580/C2580 は “シリコン・ABS・アルミ” のクッションやカバーでHDDを守る構造をしています。
HDDを納めるケース、その周りを覆うシリコン製のカバー、更に表面はアルミのプレートで保護することで高い耐衝撃性能を実現しています。
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その耐衝撃性能は、アメリカ国防総省が定めた落下試験の基準 “MIL-STD810G” の試験基準だけでなく、更に高い地点からの落下テストをもクリアしています。
【MIL-STD-810G】の落下試験の基準とは
“MIL-STD-810G 落下試験” はアメリカ国防総省が定めた落下試験の基準です。
この基準は、軍事用装備品の性能を評価するために使用されます。
具体的な試験内容は
米軍の落下試験の基準とは MIL-STD-810G 156.6-Transit Drop Test規格に基づいて、5台のポータブルハードドライブを選択し、すべてのコーナーと面および側面から1,22mの高さから26回落下させます。
ポータブルハードドライブを落下させた後も適切に動作すると、米軍の落下試験規格に適合となります。
jp.transcend-info.com
とあります。
もちろん、この試験をクリアしているからといって「絶対に壊れない」わけではありません。
しかし、使用中や持ち運び中に不注意で落としてしまったとき、衝撃が加わってしまうことは充分あり得ます。
1.2mからの落下試験をクリアしている耐衝撃性能はとても頼もしいものです。
MIL-STD-810Gでけでなく1.5mからの落下試験もクリア
MIL-STD-810G は旧モデルの “T2566-Ⅱ” もクリアしています。
しかし、T2580/C2580 はそれよりも高い “1.5m” の落下テストにもクリアしています。
残念ながら詳しい試験内容はわかりませんでした。
それでも、米軍の規格以上の高さからの落下の衝撃にも耐えられる頑丈さはとても魅力的です。
魅力②:150kgの重さにも耐えられる強度
販売ページには【PRESSURE RESISTANT 150KG】の表記があります。
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“PRESSURE RESISTANT=耐圧性” つまり150kgの圧力にも耐える事が出来る強度を持っています。
この耐圧性能は旧モデルの “T2566-Ⅱ” にはありませんでした。
正直「そこまでの強度が必要か?」という考えもよぎりました。
でも、データの防災(保護)の点から考えると頑丈に越した事はありません。
地震などで何かの下敷きになった時などを想定すると、高い耐圧性性能はとても頼もしく感じます。
魅力③:IP66の試験をクリアした高い防塵防水性能
旧モデルと同様に新モデルの T2580/C2580 も “IP66” の防塵防水性能を有しています。
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また、USBコードも旧モデルと同様にケースと一体化していて、ホコリや水の浸入を防ぐ構造になっています。
防塵防水性能【IP66】とは?数字の意味は?
“IP66″は、国際電気標準会議(IEC)が定めた機器内部への異物(ホコリや水)の侵入に対する “保護等級” の一つです。
“IPコード” と呼ばれるもので、”IP” の次の数字が固形物に対する “保護等級”、その次の数字が “水に対する保護等級” を表します。
そのため “IP66” は
固形物に対する保護等級が「6級」
水に対する保護等級が「6級」
の試験をクリアしていることを証明しています。
【IP66】防塵性能:6級・防水性能6級とは?
防塵性能:6級は「耐塵(粉塵が内部に入らない)」
防水性能:6級は「あらゆる方向からの強力な噴流水でも有害な影響を受けない」ことを示します。
つまり “IP66” は豪雨でも浸水の恐れが無い高い防塵防水性能であることを示しています。
IP66は屋外で使用される防犯カメラなどで求められる防塵防水性能らしいです。
そのため、「バッグに入れていて雨に降られてしまった」「コップの水をこぼしてしまった」程度では心配いりません。
どんなに気をつけていても、突然の雨や災害時の避難中に濡れてしまう可能性はゼロではありません。
高い防塵防水性能を備えていることは、データの防災としてとても魅力的な部分です。
魅力④:性能に対して非常にリーズナブル
旧モデルの “T2566-II” は高い耐衝撃性能と防塵防水性能がありながらわずか “1,400円” で販売されています。
これは耐衝撃性能をうたっていない通常のケースとかわらない金額です。
「性能に対して販売価格が非常にリーズナブル」これはとても魅力的でした。
新モデルの “T2580/C2580” にもその点は引き継がれています。
USB-AのT2580 は “1,780円” で、USB-CのC2580は “2,200円” で販売されています。
価格は私が確認した時点での最安値なので、タイミングによっては値上がりしている可能性もあります。
旧モデル以上の耐衝撃性能、加えて150kgにも耐える耐圧性能を搭載してこの価格は驚きです。
ineo【T2580/C2580】の主な機能・特徴
T2580/C2580 に共通する主な機能としては
・MIL-STD810G 落下試験をクリアした耐衝撃性能
・1.5mからの落下てすとにクリア耐衝撃性能
・150kgの圧力にも耐える耐圧性能
・IP66の耐塵耐水性能
・SATA 2.5インチHDDとSSDの互換性あり(9.5mm/7mm)
・通電確認用のアクセスランプあり
・外部アダプタ不要の “バスパワー”
・ケースと一体型のUSBケーブル
・過電圧、過電流、短絡、漏電、加熱、ノイズ防止システム搭載
・対応OS: “Windows” 10/8.1/8/7/XP、”Mac” OS X
となっています。
耐衝撃性能、耐圧性能以外は旧モデルとそこまで大きな違いはありません。
それ以外の機能も他社製品に比べて突出している部分はありませんが、不便ということもないように感じました。
USB-A:T2580、USB-C:C2580の機能の差
T2580(USB-A)と C2580(USB-C)の違いはUSBケーブルです。
そのため、通信速度にも差が生じています。
【T2580:USB-A】は
・USB3.1 Gen1(USB2.0/USB1.1の下位互換性あり)
【C2580:USB-C】は
・USB3.1 Gen2(USB2.0/USB1.1の下位互換性あり)
となっています。
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旧モデルの “T2566-Ⅱ” と比べても通信速度はあがっています。
ただ、正直転送速度の差はT2580とC2580両方を持っていなければ気にならないとおもいます。
「自分のパソコン周りの環境に合わせて選ぶだけでいいかな」といった印象です。
ineo【【T2580/C2580】のサイズ・カラーバリエーション
T2580 も C2580 もカラーバリエーションはありません。
サイズも同じで、長さ148mm × 幅90mm × 厚さ16mmです。
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旧モデルと比べても数ミリの違いしかありませんが、厚さの4mmは以外と大きな差かもしれません。
とはいえ “薄型” とは言えない厚さで “コンパクト” とは言いにくいサイズです。
耐衝撃性能を高める為には仕方ないのかもしれませんが、持ち歩くには少し気になるかもしれません。
T2580/C2580の気になったところ【デメリット】
耐衝撃性能・耐圧性能・防塵防水性能ととても魅力的な商品ですが、気になるところもあります。
それが、表面に飛び出ている “ボルトの頭” と、サイズです。
表面のアルミプレートを固定するボルトが飛び出ている
T2580/C2580 はシリコンカバーの上からアルミプレートを固定する構造です。
その固定に使用するボルトの頭が 1~2mm 飛び出ているのが非常に気になります。
旧モデルも素材こそ違うものの構造は同じでした。
ただ、プレートの凹凸に合わせて表面への飛び出しは無いようにデザインされていました。
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新モデルはアルミプレートになったことで、ボルトの頭が隠せなくなっているようです。
この飛び出し、バッグの中に入れていたら他の荷物に傷をつける気がしてしまいます。
収納する袋を用意すれば問題はありませんが、この部分はとても残念に感じました。
サイズは気持ち大きめ!持ち運びにはちょっと気になるサイズ
旧モデルと比べてほんの少しコンパクトになっているもののやはり大きいです。
過去にまとめた耐衝撃性能のあるポータブルHDDと比べて一回り大きいイメージです。
一番コンパクトなBUFFALOの商品と比べると長さは約3cmも差があります。
このわずかな差が「持ち運び」に関しては以外とハッキリと「大きいな」と感じてしまいます。
耐衝撃性能や耐圧性能、防塵防水性能は非常に魅力的ですが、他社商品を見ていると「もう少しコンパクトに出来るでしょ」という考えが浮かんでしまいました。
【T2580/C2580】私ならこう使う!
私はパソコンのHDDをSDDに交換した時に外したHDDが余っています。
なのでそれを有効活用できる “ケース” のみの T2580/C2580 はとても魅力的です。
ただ、やはり “セキュリティー対策が無い” のと “本体の大きさ” の問題から自宅の外に持ち出す気にはなれません。
そこで 「バックアップデータの分散保管に使いたいな」とおもいました。
防災バッグなどにも入れず、自宅に起きっぱなし。
バックアップデータのさらにバックアップを保管するケースに最適だとおもいます。
高い耐衝撃性能や耐圧性能、防塵防水性能は地震や台風で万が一自宅が被害を受けた時にもデータを守ってくれる可能性があります。
避難所などに持ち出すのは怖いですが、自宅での保管なら少しは安心です。
「パソコン、外付けHDD、クラウド」+「自宅保管の防災庫」といったイメージです。
セキュリティーソフトも導入すれば更に安全に使用できそうです。
“日常使い” ではありませんが、データの防災目的にはとても良い商品だと思っています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
旧モデルで気になっていた放熱性も、表面がアルミプレートになった事で対策されているように感じます。
また、USB-Cタイプのモデルがある事にも進化を感じます。
私はまだまだUSB-Aがメインの環境ですが、USB-Cの方が便利な人も多いとおもいます。
正直、デザインは旧モデルの方が好きでしたが、性能的には断然【T2580/C2580】がおすすめです。
手元に余っているHDDやSSDがあれば格安で頑丈なバックアップ先が確保できます。
災害に備えて、大切なデータを守るために【T2580/C2580】を “データの防災対策” として検討してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。 にわけもの