シリコンパワー【Armor A60】は
“【2023】データの防災におすすめなポータブルHDD3選”
の記事で取り上げた3つの商品のうちのひとつです。
“データの防災” という目的でHDDを選んでいる際、候補に上がった商品の中で唯一 “防水性能” があります。
その為、災害時の過酷な状況でもデータを守れる可能性が高い商品として選びました。
この記事では、先日の記事ではまとめきれなかった
・商品の詳しい紹介
・他の商品と比べて優れている点
・少し気になる点
などの説明と、私がシリコンパワー”Armor A60″ を購入候補に選んだ理由をまとめてみたいと思います。
SiliconPower【Armor A60】について
“Armor A60” は “シリコンパワー” が販売している “ポータブルHDD” です。
ポップなカラー、フォルムをしていますが、【耐衝撃】【防水】の性能があるタフな商品です。
silicon-power.com
見た目が非常にポップなので、ビジネスのシーンなどには適さないかもしれません。
しかし、”非常時”、”日常”、”趣味” など幅広いシーンでの活躍が期待出来るだけの性能を搭載しています。
SiliconPower【Armor A60】の魅力的なポイント
“Armor A60” を “防災目的” でのデータの保存先候補に選んだ理由は4つ、
① 米軍の落下試験規格に準拠した高い “耐衝撃性能”
② “IPX4” の “防水性能”
③ HDDに保存されたデータを守る “暗号化”
④ 性能の割に購入しやすい価格
です。 この4つのポイントに魅力を感じました。
それでは、それぞれについて詳しくまとめていきます。
ArmorA60の魅力①米軍落下試験規格に準拠した【耐衝撃性能】
“Armor A60” はHDDの周りを弾力のある素材(画像のライムグリーンの部分)で覆われています。
これが “内部サスペンション” と呼ばれる構造らしいです。
そして、さらに “頑丈なゴムケース” の筺体で覆う事で高い耐衝撃性能を実現しているそうです。
その耐え衝撃性能は “MIL-STD-810G516.6に準拠” しています。
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【MIL-STD-810G516.6】とは?試験内容は?
“MIL-STD-810G 516.6” は、アメリカ国防総省が定めた落下試験の基準です。
この基準は、軍事用装備品の性能を評価するために使用されるそうです。
“Armor A60” でけでなく、前回の記事 (耐衝撃ポータブルHDD:Transcend【StoreJet 25M3】)でまとめた、トランセンドの “StoreJet 25M3” もクリアしています。
Transcendの公式サイトの製品サポートのページには
米軍の落下試験の基準とは
MIL-STD-810G 156.6-Transit Drop Test規格に基づいて、5台のポータブルハードドライブを選択し、すべてのコーナーと面および側面から1,22mの高さから26回落下させます。
ポータブルハードドライブを落下させた後も適切に動作すると、米軍の落下試験規格に適合となります。
jp.transcend-info.com
とあります。
正直、専門的過ぎるのと、サイトによって情報にバラツキがあってよくわかりません。
ちなみに、シリコンパワーの公式ページでは詳しい試験内容を確認する事は出来ませんでした。
そのため、”シリコンパワー” と “トランセンド” が “まったく同じ環境・状況” で試験をしているのかは解りませんでした。
ただ、この試験をクリアしている事で、”落下による損傷” に対してある程度の耐性がことは判断できます。
本来衝撃に弱いHDDが1.22mからの落下に耐えられる。
万が一落下しても、データが破損するリスクが低いため、安心して使用することができます。
これはHDDを持ち歩く時にはとても頼もしい事だとおもいます。
ちなみに、「テストにクリアしているから絶対に壊れない」という訳ではありません。
MIL-STD-810Gとは別に3m落下のテストもしている模様
公式サイトの “特長” の項目に “3-Meter freefall test” の表記があります。
直訳すると “3m落下テスト” です。
「MIL-STD-810G 516.6に準拠」の情報は大々的に書かれていますが、どうやら独自に3mからの落下テストも行っているようです。
ただ、3mからの落下テストの内容はわかりません。
なので、何回の落下に耐えたかなどの情報はわかりませんでした。
まさかMIL-STD-810Gの1.22mからの落下と同様に26回の落下に耐えているなんて事は無いはず。
それでも “3m” の落下にも耐えたのだとしたら、ものすごい耐衝撃性能です。
amazon.co.jp
ArmorA60の魅力②:HDDを守るIPX4を満たした【防水性】
HDDの耐衝撃性能を高めている “内部サスペンション” と “頑丈なゴムケース” は “水・ほこり” に対する保護性能も高めています。
USBの差し込み口にはきちんと蓋が付いていて、それをめくると “USBの差し込み口” が現れる構造です。
そのため、”Armor A60″ は “IPX4” の防水規格を満たしています。
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防水性能【IPX4】とは?数字の意味は?
“IPX4″は、国際電気標準会議(IEC)が定めた防水性能の規格の一種です。
“IPコード” と言うもので、”IP” の後の数字が固形物に対する “保護等級”、次の数字が “水に対する保護等級” になります。
なので、例えば “IP66” と表記されていたら、その商品は
固形物に対する保護等級が「6級」
水に対する保護等級が「6級」
の試験をクリアしていることがわかります。
でも “IPX4” は数字じゃなくて「X」ですよね。
ここが難しくて混乱したんですが、本来防塵性能を表す “IP” の後の数字に「X」を入れると “防水性能” を表す指標になるそうです。
つまり、”IPX4″ は “IPX0~IPX8” まである “9段階の耐水レベル” の「4等級をクリアしている」という事の証明になるそうです。
【IPX4】保護等級:4級とは?試験内容は?
保護等級:4級は、
あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響が無い(防まつ形)
ja.m.wikipedia.org
とあります。
具体的な試験内容は、
商品に対して、実際に水がかかる恐れがあるすべての方向に “専用の散水ノズル” で放水。
流水量(ノズルから出る水の量)は “毎分約10L”
試験時間(水をかける時間)は “1立方メートルあたり1分”、最低でも5分間
となっているようです。
この試験をした後に製品の内部に水が浸入していないかを確認します。
問題なければ、”IPX4″ 規格を満たしていることになります。
“IPX4” の防水性能は、水しぶきや多少の雨に濡れても影響を受けないレベルです。
もちろん、水分は精密機械には天敵なので、濡れないに越した事はありません。
それでも、突然の雨や災害時の避難中に濡れてしまう可能性は少なくありません。
防水性能を備えていることで、安心して持ち歩き、使用する事が出来ます。
ArmorA60の魅力③:専用ソフトによるデータの【暗号化】
“ポータブルHDD” は大事なデータを持ち運ぶ事になるのでセキュリティー対策が必須です。
“ArmorA60” は、シリコンパワーの【 SP Widget 】というオリジナルソフトで “暗号化” をする事が出来ます。
暗号化方式は、
“【2023】データの防災におすすめなポータブルHDD3選”
の記事で購入候補にあげた他の2機種
・BUFFALO:HD-PGFU3-Aシリーズ
・Transcend:StoreJet 25M3
と同様に【 AES256bit 】での暗号化です。
AES256bitは、強力な暗号化アルゴリズムで、現在のコンピュータの性能では解読はほぼ不可能とされています。
強力な暗号化で、万が一の紛失・盗難に備えることで、安心して持ち歩く事が出来ます。
“SP Widget” はシリコンパワーの公式サイトで “無料” でダウンロードできるので別途費用はかかりません。
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ArmorA60の魅力④:購入しやすい販売価格
Armor A60は【1TB】【2TB】【4TB】【5TB】の4つの容量が販売されています。
ただ、私が魅力を感じたのは “1TB・2TB” のモデルのみです。
時期によって若干変動はあるものの、Amazonでは、
1TB : 約7,800円
2TB : 約9,900円
くらいの価格で販売されています。
“BUFFALO:HD-PGFU3-Aシリーズ”、”Transcend:StoreJet 25M3” と近い価格です。
また、他の耐衝撃のポータブルHDDの人気の高いモデル
BUFFALO:MIL-STD-810F 1TB:約17,800円
エレコム:ZS010UBK 1TB:約13,500円
と比べると、かなりお手頃な価格です。
1.22mからの落下に耐える “耐衝撃性能” と、”IPX4″ の防水性能があってこの価格はとても魅力的に感じました。
ただ、”4TB”、”5TB” に関してはその限りではありません。
シリコンパワー【Armor A60】の主な機能・特徴
“高い耐衝撃性” と “防水性” に注目してしまいがちですが、その他の機能もきちんとした商品です。
ポータブルHDDの基本となる機能も必要十分です。
主な機能としては
・USB3.2Gen1(USB3.1Gen1、USB3.0/ USB 2.0 互換)
・MIL-STD810G 516.6落下試験に準拠した “耐衝撃性能”
・IPX4の “防水性能”
・オリジナルソフト”SP Widget” によるバックアップ、復元、暗号化
・電源、データアクセスが確認出来る “LEDインジケータ付”
・傷、指紋がつきにくい “表面加工” と裏面に滑り止め付き
・外部アダプタ不要の “バスパワー”
・ケーブルを本体に取付けて収納できる “ケ-ブルキャリーデザイン”
・対応OS: “Windows” 10/8.1/8/7/Vista/XP、”Mac” OS 10.5.x、 “Linux” 2.6.x
・保証期間:3年
となっています。
https://www.amazon.co.jp/
個人的には3年という “長期保証” がうれしいポイントです。
とはいえ、”保証、耐衝撃、耐水性” 以外は “特別に優れている” という程のものではないかもしれません。
それでも、必要な性能はすべてクリアしているという印象です。
“1TB・2TBモデル” に限った話ですが、”必要な機能+高い耐衝撃性能+耐水性能+長期保証” でこの価格は充分魅力的な商品だと思います。
ArmorA60の容量・サイズ・カラーバリエーション
Armor A60には “4つの容量”、”2色のカラー” が販売されています。
容量は型番のSPの後の数字で、【010】は1TB【020】は2TB【040】は4TB【050】が5TBモデルです。
カラーは型番の末尾のアルファベットで判別出来て、【K】がグリーン、【A】がブラックです。
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1TBグリーン:SP010TBPHDA60S3K
1TBブラック:SP010TBPHDA60S3A
2TBグリーン:SP020TBPHDA60S3K
2TBブラック:SP020TBPHDA60S3A
4TBグリーン:SP040TBPHDA60S3K
4TBブラック:SP040TBPHDA60S3A
5TBグリーン:SP050TBPHDA60S3K
5TBブラック:SP050TBPHDA60S3A
ただ、1TBと2TBにはこのルールでは判断出来ない
・1TB:SP010TBPHDA60SCA
・2TB:SP020TBPHDA60S3SCA
の2つのモデルがあります。
これに関しては調べてもハッキリとした情報は見つける事は出来ませんでした。
サイズは全容量共通で、長さ138.5mm × 幅85.9mm × 厚さ23.2mm です。
薄型とは言えない厚さと、コンパクトとは言いにくいサイズ感です。
重さは “容量” によって違い、”228g~280g” となっています。
ただ、次の項で詳しくまとめますが、この数字は実際とは異なるようです。
Armor A60の気になったところ【デメリット】
魅力的なポイント、気に入った点などまとめてきましたが、当然不満に思うポイントもあります。
それが商品情報に関してです。
購入前なのでどんな商品か調べている時に、情報が “バラバラ” な点が気になりました。
普通なら “公式サイト” の情報が正しいはずです。
しかし、”本体の重さ” を例にすると、公式サイトには、容量によって “228g~280g”と書かれています。
ただ、Amazonの販売ページには “228g~336g” の表記。
当然、公式サイトの情報が正しいはずですが、購入者が重さを計った結果 “2TBモデル” で “300g” だった写真付きの情報もあります。
公式に書かれている重さを越えているので、どれが正しい情報か解らないといった事があります。
また、型番の末尾のアルファベットでカラーの判別ができますが、末尾が “CA” になっているモデルの型番が公式サイトにあります。
USB Type-CとType-Aの両方が同梱されている販売ページがあるので “Type-CとAの “CA” かなとも思いましたが、どうやら違うようです。
そして、販売ページによって “Type-Aのみ” “Type-C同梱” のパターンがあります。
重さも、USB Type-Cの有無も大した問題ではありません。
それでも、このように「情報が解りにくい」点は、私にはとても気になるデメリットでした。
Armor A60を買うとしたらどのモデル?どう使う?
私が “ArmorA60” を購入するとしたら、絶対 “2TB” モデルです。
容量とコストのバランスが一番良いと感じたからです。
そして、ライムグリーンのカラーは私にはポップ過ぎるので、カラーはブラックです。
A60は高い耐衝撃性能と防水性能があるので、大事なデータを入れたら “防災バッグ” にもそのまま入れられます。
追加の対策無しで “データの防災” が完了するのはうれしいポイントです。
非常時だけでなく、日常使いにもピッタリな気もしますが、重さが気になるので、毎日の持ち歩きには使わない気がします。
ただ、タフな商品なので “にわか雨” なども心配する事無く持ち歩ける点はかなり魅力的ですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
前回、前々回と、”耐衝撃性能” があるポータブルHDDをまとめてきましたが、その中でも “ArmorA60” は一番の耐衝撃性能を有しています。
そして、他の2つの商品には無い “防水性” も備えています。
見た目の好き嫌いはハッキリ別れるデザインですが、個人的にはポップでかわいらしいと思います。
容量の選択肢もあり、1TB・2TBモデルに関してはかなりリーズナブルです。
ちなみに、シリコンパワーの “Armor” はシリーズらしく、A60の他にも
・Armor A85B
・Armor A65B
・Armor A66
・Armor A80
・Armor A75
などがあります。
多分数字が大きい方が新しいようですが、A80などは1TBで “約17,000円”、2TBで約25,300円と、かなり高額です。
A60は性能も価格もとても “丁度いい” 商品だと思います。
皆さんも、大切なデータを守るために、”Armor A60″ を “データの防災対策” として検討してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。 にわけもの