ここ数年話題になり、ご高齢の方で始めた方も多い「終活」。
ボクはまだ30代ですが、ここ最近「終活」をすごく意識するようになりました。
と言っても自分で命を絶つという考えがある訳ではありません。
知り合いとの世間話や、お世話になっていた職人さんが亡くなられた時の体験などがそれを強く意識させるようになりました。
この記事は、年齢に関係なく終活をするとことで日常生活も快適になるんでは?というボクの考えを記録しておく為のものです。
30代で「終活」を強く意識しはじめた理由
ここ数年、”終活” とともに “断捨離” という言葉も流行っていますね。
ボクが先に興味を持ったのは “断捨離” で、「部屋にモノが多いと頭の中もごちゃごちゃしてしまいがち」という情報を目にしたのをきっかけに、興味を持ちました。
興味こそ持ちましたが、必要に迫られて取り組んでいる訳ではないのでなかなか作業は進まず、部屋には相変わらずものが沢山ありました。
そんな時にテレビで「終活」の話題を頻繁に目にするようになりました。
高齢者が自分の持ち物を生前に片付け、葬儀に読んで欲しい友人や、希望を書き残しておく “エンディングノート” というモノが広く知られました。
テレビの影響か、ボクの知り合いのおばあちゃんの終活をはじめ、よく世間話でいろいろと教えてくれました。
その話を聞いていると “断捨離” だけでなく “終活” も含めて、身の回りを片付けて “身軽” になっておきたいという考えが強くなりました。
モノだけでなく “情報” や “契約”も含めて整理と処分をしておく事で、終活に関係なく今の生活もシンプルになり、快適になるとおもったからです。
親しい人の死で、自分の死後の事を考えるようになった
一番強く影響を受けたのがお世話になっていた職人さんが亡くなられた時の体験です。
検査入院で短期間だけ入院する予定が、入院中に肺炎になってしまい、一週間もしないで亡くなってしまいました。
本人も「昔の病気の検査入院でちょっと留守にする」と言って出かけていってそれっきりになってしまったので、身の回りの片付けなどは全くしていませんでした。
奥さんは数年前に亡くなられていて、お子さんも居ないので葬儀や片付けはお姉さんが行いました。
葬儀の後は役所出す書類や遺産の整理、それに加えて自宅の片付けと仕事場の片付け、本当に大変そうでした。
ボクもできる部分は手伝いましたが、やはり家族でないとわからない部分や、遺産など踏み込むわけにはいかない部分も多く、残された身内の方に掛かる負担の大きさをまざまざと目にしました。
ボクも祖父や祖母、親戚の死は体験していますが、みんな家族と暮らしていたので片付けと言っても一部屋程度、仕事場を持っていた訳でもないので片付けはそれほど大変ではありませんでした。
一人暮らしで、それとは別に仕事場も持っている人間が亡くなった後の片付けの大変さはそのときはじめて知ることができました。
そして、残された遺産や残されたモノの行き先で親戚間でものすごくもめたとお姉さんから聞きました。
趣味の道具を持っていこうとする親戚、家電などを持っていってしまう親戚、勝手の家の査定を依頼していた親戚などうんざりしてしまったそうです。
その話を聞き、実際に一部を目にし、自分がもし急に死んでしまった時に親や姉にかかる負担について考えるようになりました。
もしも今自分が死んでしまったら両親や姉に掛かる負担
職人さんの死をきっかけに「もしも今突然死んでしまったら…」を頭の中で考える事が多くなりました。
精神的な負担に加えて、役所などへの手続きなどいろいろな負担をかけてしまいますが、一番大きな負担になるのが片付けだと思います。
日用品などは問題ないとおもいますが、仕事の道具や書類、趣味の道具、機械や工具、材料など沢山のものを持っているので、その片付けや捨てるものの判断だけでも相当な苦労をかけてしまうとおもいます。
仕事の道具や機械、工具はそれに関わっていない人には判断はむずかしいし、何より量がすごいので大変です。
メンテナンス中で分解してある工具や機械などは意味が分からないとおもいますし、中には捨てるのに処分費がかかってしまうものも沢山あります。
処分したいのに面倒で先延ばしにしているモノ、売れるからとっておいてあるだけでもう興味が無くなっているモノなども多いので、それらの処分は早めにやっていかなくてはと気がつかされました。
また、わかりにくい資産も問題です。
“銀行口座” などはたいして問題ではありませんが、”インターネット上の銀行”や、”仮想通貨の銀行” などはその存在すら気がついてもらえないかもしれません。
どちらにも入っている金額は微々たるものですが、もしかしたら将来仮想通貨が値上がりするかもしれません。
せっかくなら一円でも多くお金は残してあげたいので、資産に関してもきちんとまとめておく必要があると気づきました。
この点で、モノの処分をする “断捨離” ではなく、もしもに備えて全ての情報もまとめておく “終活” の必要性を強く意識しました。
災害にあってモノが多い事のデメリットを知った
“終活” は自分の死後の為だけでなく、今の生活も快適になると考えています。
その理由が近年増えて、かつ酷くなってきている “自然災害” です。
過去の記事でも書きましたが、今年の9月末に “台風15号” の被害を受けて、人生初の酷い自然災害を経験しました。
それまでも地震や台風は何度も経験しましたが、長時間の停電や断水、身内の家の浸水などは今回の台風がはじめての体験でした。
親戚の家が浸水し、その片付けをしている時に “浸水して壊れてしまったモノ”、”汚れたから処分するモノ” など “処分しなくてはいけないモノ” を沢山目にしました。
中でも “災害によって価値が無くなってしまったモノ” の多さと、それによる精神的な負担の大きさはものすごく、その損害額は「自分だったら立ち直れないかも…」とおもってしまうほどでした。
災害でモノが壊れたり、汚れてしまって処分しなくてはいけなくなるのは当たり前ですが、おじさんの「お金に換えておけば良かったや」の言葉が頭に残っています。
「昔買ったけど今は興味が薄れてただ保管していただけの物」、売ればある程度のお金になったものが災害で “無価値” になっただけでなく、片付ける “手間” にまでなってしまった訳です。
これは自分にも当てはまります。
今は使っていない趣味の道具や、買ったけどたいして使わなかった家電、もう使わなくなった機械(工具)などが倉庫に沢山詰まっています。
どれもオークションなどで売れば多少の金額は付く事はわかっているんですが、出品作業が面倒で手をつけていません。
もしこのタイミングで災害きて、倉庫に浸水や倒壊の被害を受けたら、価値がどうこうと言うより、ものすごい量のゴミを片付け無くてはいけなくなります。
なので、無くても困らないけど売れば多少のお金になるものはどんどん処分していく事が大事だと言う訳です。
倉庫や部屋を片付ければ物が減り、日々の生活も快適になりますし、もしもの時の後片付けの手間も減ります。
防災の面でも “断捨離 & 終活” はメリットがあると実感した出来事でした。
知り合いのおばあちゃんの終活話で気づかされた事
近所に住む知り合いのおばあちゃんから聞いた話でも “終活” のメリットを実感できました。
そのおばあちゃんはもう10年以上前に旦那さんに先立たれて、息子さん夫婦も神奈川で生活をしているので一人暮らしです。
旦那さんが無くなられた後に “趣味の道具” や “本” “服” や “仕事をしていた頃の荷物” など沢山のモノを片付けるのがすごく大変だったそうです。
重くてゴミに出せないものはお金を払って業者を呼んで処分してもらい、細かなものはゴミの日に少しずつ処分していって、なんだかんだ1年近く片付けてたそうです。
そして、おじいさんの残した荷物を片付けているうちに、もし自分が死んだら息子たちが神奈川から来て片付けなくてはいけない事が心配になったといっていました。
自分は住んでいる家で毎日少しずつ片付けていったけど息子たちが住んでいるのは遠く離れた土地。
「大変な事させられないから自分のいらない荷物も片付けはじめたんだよ」と言っていました。
着なくなった服や物を少しずつ捨てていって、付けなくなった貴金属や、着なくなった着物は息子さんの奥さんが欲しいものだけ持っていってもらって後はお店に買い取ってもらったそうです。
昔買った雑誌や本が沢山あったそうで、それを古紙回収で片付けただけで部屋がすごくすっきりしたと言っていました。
また、片付けをし始めた事で探していた昔の写真も見つける事ができたと教えてくれました。
おばあちゃんの “終活” の話を聞いていて特に印象的だったのが
・片付けたら部屋が広くなって家事が楽になった
・心配事が減って気分が楽になった
の2つでした。
部屋がすっきり片付いた事で日常の掃除に掛かる時間や手間が少なくなり、物が減ったおかげで気分的にもスッキリしたと言っていました。
また、終活を始めた理由でもある「息子さんたちに迷惑をかけないように」の原因でもある “片付け” が進んでいる事で心配事も減ってきて安心していると言っていました。
確かにリビングもスッキリとキレイに片付いていて、余分なものは見当たりません。
もしものときに息子さんたちが片付けをする事になってもすぐに済みそうなほどキレイに片付けられていました。
おばあちゃんのお話から終活は “片付けた事で “家事” が楽になり身体的な負担が減り”、”心配ごとが無くなることでメンタル的な負担が減る” という心身ともにとてもいい効果が現れることを知る事ができました。
まとめ
冒頭で “自ら命を絶つ考えは無い” と書きましたが、同時に長生きできるともおもっていません。
自分の体調や心臓の症状を考えるとある日突然、という可能性も全然あり得ると考えています。
しかしその点に関しては誰でも同じだとおもいます。
病気に限らず、交通事故や不慮の事故、災害などで “もしもの時” は誰にでも突然起こりうるものです。
その時に残された家族の負担を少しでも減らし、可能な限りの財産を余す事無く残せるように、終活は年齢に関係なく必要だとおもいます。
“終活” と言うと仰々しく聞こえますが、単にこまめに不要なものを処分して、身の回りを片付けてシンプルにしておきたいというだけの事です。
テレビで紹介されていた “高橋英樹さん” の断捨離のように家を空っぽにして「バケツすらも捨ててしまって困った」のような状態を目指している訳ではありません。
そして、終活はもしものときに残された家族のためだけでなく、いまの生活をも快適にしてくれる事を仲のいいおばあちゃんに教えて貰いました。
情報が錯綜し、物があふれている現代だからこそ “終活” に取り組み身軽に、シンプルに生活することで快適な暮らしができるんではないかと考えています。
以上がボクが30代にして “終活” を始めた理由と “終活” に対する考えです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。 にわけもの