ある日母宛に “高齢者講習のお知らせ” というハガキが届きました。
母は来年の免許更新で70歳になるので、「免許証の更新をするには “高齢者講習” というものを事前に受けなければ更新できませんよ」というお知らせでした。
高齢者講習の存在は知っていましたが、どんなことをやるのか興味があったので、 “高齢者講習” を受けた後に母に詳しく話を聞きました。
この記事では “高齢者講習” でどんなことをやったのか、母から聞いた体験談をまとめています。
高齢者講習のハガキが来た方の参考になれば幸いです。
高齢者講習とは何か、”受講する場所”や”料金”について
“高齢者講習” とは何か
高齢者講習は運転免許証の有効期限満了日に70歳から74歳の人が次の免許証更新の手続き前に受ける講習です。
免許証の期間満了日の180日前にお知らせのハガキ(”高齢者講習のお知らせ”)が届き、そのハガキの到着後から次の運転免許証の更新手続きまでに受講しなくてはいけません。
運転免許証を更新する場合は、本人の誕生日の1ヶ月前から更新手続きが可能で、誕生日の1ヶ月後の満了日までには更新を済ませなくてはいけません。
例えば10月9日が誕生日の人が免許証を更新する場合は、9月9日から更新手続きは可能で、11月9日までに手続きを済ませなくてはいけません。
その場合、免許証の有効期限が切れる(満了)になる11月9日の180日前の5月頃(190日まえくらい)に “高齢者講習のお知らせ” のハガキが届きます。
そのハガキが届いたら運転免許証の更新手続きをするまでに講習を受ける必要がある訳です。
“高齢者講習” はどこで受講するのか、料金は?
“高齢者講習” は自分の住んでいる地域の指定された “自動車学校” 等で受けることが出来ます。
届いた “高齢者講習のお知らせ” のハガキに “高齢者講習” を受講できる施設の一覧(名称・電話番号・所在地)が載っているので、その中から自分が行きやすい施設を選びます。
講習は予約制なので選んだ施設に電話をして “高齢者講習” のハガキをみて電話したことを伝えます。
予約時に説明を受けて、オートマ・マニュアルどちらで受講するかもか聞かれたそうです。
予約が取れたら、指定された日時、時間に施設に行って講習を受けます。
“お知らせ” のハガキに書かれている持ち物(運転免許証・筆記用具・高齢者講習のお知らせの葉書・必要な人は老眼鏡など)を忘れずに持参しましょう。
運転実技がある人は服装も運転のし易いもので、眼鏡や補聴器が必要な方はそれも忘れずに持っていきましょう。
料金は更新する免許証の種類によって違い、普通自動車の場合は6,450円、バイク・原付のみの場合は2,900円です。
この料金は受講する施設に当日、直接支払います。
高齢者講習の受講する時の注意点!早めの予約がおすすめ
母が行ける距離にある “高齢者講習” が受講できる施設は3件ありました。
“高齢者講習のお知らせ” のハガキを受け取ってすぐに一番近い自動車学校に電話をしたそうですが、予約はかなり埋まっていて最短で2ヶ月半後だったそうです。
早めに済ませてしまいたかったらしく、2ヶ月半後まで待たなくてはいけないのは嫌だったので2番目に近い自動車学校に電話したところ、そこは一件目よりは予約が空いていて、1ヶ月後の予約を無事に取ることが出来ました。
当然地域によって違いはあるはずですが、お知らせのはがきが届いて直ぐ、翌日ぐらいに電話して最速で1ヶ月後、別の施設は最速で2ヶ月半後などといった込み具合なので、免許証の更新間近になってから予約を取ろうとしてもむずかしい場合もあるとおもいます。
高齢者講習の受講予約は出来るだけ早めに済ませてしまうのがおすすめです。
高齢者講習はどんなことをするの?母の体験談
母の元に届いた “高齢者講習のお知らせ” のはがきには講習の内容は “座学・運転適性検査(60分)、運転実技(60分)” の2時間と書いてありました。
“座学” は多分ビデオやスライドを見ながら講義を受けるんだろうと予想がつきましたが、”運転実技” はどのくらいのことをやるのか想像がつきませんでした。
母は免許取得時の自動車学校での卒業検定以来一度も “縦列駐車” をした記憶が無いらしく、「 “縦列駐車” やれって言われたらどうしよう」と不安になっていました。
ボクは “縦列駐車” は必須な運転技術では無いから、普通の運転に必要な “交差点でウインカーを出しているか”、”一時停止でキチンと停止しているか” ぐらいの確認だとおもいましたが、それでも若干の不安を抱えながら講習に出かけていきました。
高齢者講習の受講のため予約日に自動車学校へ
“高齢者講習のお知らせ” に書かれていた持ち物を持って、指定された時間に自動車学校へ行き、受付を済ませ、受講料(6,450円)を支払います。
その日の受講者は12人で、6人ずつ前半に “座学” をする組、前半に “運転実技” をする組にわかれたそうです。
70歳~74歳が対象なのでだいたい母と同じくらいの年齢の方だけですが、中には杖をついている方や、車いすの方がいてビックリしたと言っていました。
母は前半に “座学と運転適性検査” を受ける組に振り分けられたのでそのまま室内で待機、前半に運転実技をする6人は建物の外に移動します。
座学と運転適正検査はどんなことをやったのか
運転適性検査は免許の更新時と同じように “視力検査” を受けました。
“視力検査” 以外にも、普段の免許の更新では検査しない “視野の検査” や “動体視力の検査” も受けたそうです。
ただ、この検査はあくまで “今の自分の状態を知る為” に行われているもので、免許更新時の検査より少し厳しい基準になっているそうです。
“視野の広さ” や “動体視力” は基準に達していなくても駄目という訳ではないらしく、”動体視力の検査” は初めての体験だったので何をしていいかわからず映像を見ているだけで終わってしまったそうです。
母は “視野” も “動体視力” もギリギリの結果でしたが、無事クリアできました。
視力検査は一人10分ほどの時間が掛かり、順番待ちをしている人や検査が終わって待っている人は免許証の更新の時の講義で観るようなビデオを観て待つ仕組みになっていたそうです。
1番目に検査を受けている間は2番目~6番目の5人はビデオを観ながら待機、2番目の人が視力検査を受けている間は1番、3番~6番の5人はビデオを観ながら待機といった感じです。
6人全員の視力検査が終わるまでに約1時間。
自分が検査を受けている時間以外の50分が交通安全のビデオを観る時間(座学)だったそうです。
視力検査とビデオでの “座学・運転適性検査” が終わったら次は実際に車を運転する “運転実技” です。
高齢者講習の “運転実技” はどんなことをやったのか
前半に運転実技を行ったグループと入れ替えで外に出て、教官1人+受講者2人が一組になって教習車3台でわかれて運転実技がはじまります。
運転実技は一人20分ほどで、自動車学校の校内のコースで実際に運転します。
教官の指示に従って校内コースをぐるぐる回り、”一時停止” や “交差点” での運転技術を確認されたそうです。
他には一時的に “40kmまで速度を上げる”、”前輪が段差を乗り越えたときにすぐにブレーキが踏めるかの確認”などもあったそうです。
母は一時停止での “停止線” をオーバーしてしまい、もう一度確認(練習)した以外はスムーズに終えることができたようです。
教官は終止優しく、母が心配していた “S路クランク” や “縦列駐車” などは無く、「簡単だった」と言っていました。
20分ほど運転した後は、もう一人の受講者と運転を代わり、その人の “運転実技” を後部座席で見学するそうです。
ふたりとも運し終えたら “運転実技” は終了。
“高齢者講習終了証明書” の受け取りで講習は終了
高齢者講習を受講して “座学・運転適性検査・運転実技” に問題が無ければ “高齢者講習終了証明書” という紙が貰えます。
建物内に戻り、名前が呼ばれたら窓口に行き、免許証の内容(住所・氏名/生年月日など)と”高齢者講習終了証明書” の内容に間違いが無いかその場で確認をしてから受け取ります。
この “証明書” を受け取って高齢者講習は終了です。
予定通り2時間ほどで終わったそうです。
この “高齢者講習終了証明書” は免許証の更新の際に窓口に提出する大事な証明書です。
更新の時に紛失していると免許証の更新が出来ないので、大事に保管します。
高齢者講習に受からない人もいる?
母が講習を受けた日の12人は、途中で体調が悪くなり帰った人以外、杖をついたおばあさんも全員合格したと言っていました。
杖をついていたおばあさんは一人では車に乗り込むことが出来ず、教官に補助してもらいながら車に乗り込んでいたそうですが、それでも受かったということは “視力” や “運転” に問題ないと判断されたと言うことです。
杖をついている人でも受かるの?と話を聞いてビックリしましたが、座学で母の隣に座っていたおじさんの友人が高齢者講習を受けて落ちてしまったと言っていたそうなので、やはり基準に達していない場合は当然、終了証明書を貰えないようです。
よく聞く “認知症検査” の様なものも無く、講習内容はごくごく簡単だったと母が言っているので、余程のことが無ければ落ちることは無いのかもしれません。
でも逆に考えるとそんなに簡単で意味があるのか?ともおもいました。
まとめ
“運転適性検査” というものに認知症検査の様なものが含まれているのかとおもっていましたが特にその様なものは無かったと聞いて意外でした。
視力検査などの “運転適正検査” の時や “運転実技” での教官の指示を理解して従えているかなどで確認されているのかもしれませんが、”高齢者講習” と言う割には全体的に非常に簡単な内容に感じました。
ただ、段差に乗り上げたときにすぐにブレーキを踏めるかの検査は、最近非常に多い高齢者の踏み間違い事故に対応した良い実技検査だとおもいます。
また、運転免許の更新前に視力の確認が出来たことで、現状母の “視力” が基準ギリギリなことがわかり、更新前に眼鏡を新しくといった準備ができるので良かったとおもいます。
6,450円の講習料が高いと感じるかは微妙ですが、とりあえずはプロの判断で母は運転しても問題ないと判断してもらえたので、身内としては安心できました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。 にわけもの