過去の記事でも簡単に書きましたが、祖父母の家の片付けをしていて人形やぬいぐるみの処分に本当に困りました。
ばあちゃんが趣味で作った “ぬいぐるみ” や “編みぐるみ” が大半でしたが、それ以外にも日本人形や雛人形、それらの装飾品など処分に悩むものが沢山ありました。
身の回りのいろんな人に相談しましたが、考え方はそれぞれで、処分方法は人によって全然違いました。
いまでもその処分方法で良かったのかはわかりませんが、この記事で当時の “人形関係” の処分方法について、考えや、実際に行った方法をまとめてみようと思います。
あくまで個人的な考えで行った事なので明確な根拠はありませんが、処分に悩んでいる人の参考に少しでもなればうれしいです。
人形やぬいぐるみの処分に悩んだ理由
ぬいぐるみや人形は “布” や “綿”、”木材” などの素材で作られているものが多いと思います。
その為、素材だけで考えたら “燃えるゴミ(可燃ゴミ)” で処分できる地域が多いと思います。
ぬいぐるみを “燃えるゴミ” として出す人もいるとは思いますが、小さい頃から「”目のあるものは供養” するんだよ」と聞いて育ち、成長して “妖怪” が大好きになったボクは “モノに魂が宿る” という考えを少なからず信じていて、 “ぬいぐるみ” や “人形” をゴミ袋に詰めて可燃ゴミとして出すのはあまりに気が引けました。
“お人形さんがかわいそう” という訳ではなく、 “罰が当たりそう” という自分の身を守りたいという考えからです。
燃えるゴミとして出した事で “恨まれたり”、”呪われたり” して悪いことが起こるんではないかという恐怖心があって簡単に処分できなかった訳です。
人形やぬいぐるみを供養して貰う費用は想像以上だった
可燃ゴミで出すのは気が引けますが、「それなら全て供養すれば良いじゃん」という訳にもいきませんでした。
その理由が人形供養を依頼するときの費用です。業者に依頼すると想像以上にお金が掛かります。
地元の神社で開催される”人形供養の日”に依頼する場合
ボクの地元では年に一度地元の神社でぬいぐるみや人形を供養してくれる催し物が開かれていました。
ぬいぐるみを処分しようとしていた当時はその供養の日の直後で、一年近く待たなくてはいけませんでした。
また、その日に供養してもらえる人形は一人につき “袋や箱1つまで” という決まりがあり、供養費は2,000円でした。
もし45Lのゴミ袋にパンパンにつめても10分の一減るかどうかという状態です。
供養できる量も足りないし、それが出来るのが1年後だしという理由で地元の神社での供養は諦めました。
郵送した人形を供養してくれる専門業者に依頼する場合
次に探したのが人形の供養をしてくれる業者です。
お寺や神社と提携しているらしく、郵送で送ることが出来るので離れた土地の業者にも依頼する事が出来るのが利点です。
しかし、当時見つけた業者は “80サイズ” までのダンボール箱1箱で5000円の供養費でした。
送料も考えると6000円近くになりました。
ばあちゃんが作ったぬいぐるみはどれも大き目だったので、どんなに詰め込んでも1箱に3体ほどしか入りそうもありません。
人形を3体供養するのに送料込みで6000円近くも掛かるのでは50体近くある人形の供養には10万円近く掛かってしまいます。
また、ばあちゃんの作ったぬいぐるみ意外にも “日本人形” や “縁起物の人形” などがあります。
すべて供養に出すことを考えると軽々と10万円を越える費用が予想できます。
あまりの金額に業者への依頼は諦めて、人形関係の処分はしばらく手を付ける事が出来ませんでした。
友達や知り合いに人形の処分について相談してみた結果
そのままゴミとして出すのは怖いけど業者に依頼するにはあまりにもお金が掛かる。
その為、処分できずに作業は止まってしまいました。
“日本人形” や “縁起物の人形” はいろんな部屋に置かれていましたが、ばぁちゃの手作りのぬいぐるみはリビングの棚に飾られています。
その棚自体も処分したかったので、中身のぬいぐるみの処分が進まないと作業が進みません。
当時は友達や友達の親、近所のおばちゃん、仕事関係の知り合いなど世間話のついでにいろいろな人に人形の処分について相談していました。
人形の処分について相談した結果”一番多かった意見”
相談した結果一番多かったのは “そのまま捨てる” でした。
正直そうだろうなとは思っていましたが、若い人ほど “燃えるゴミで出す” という意見でした。
友達や年齢の近い知り合いはそもそも “ぬいぐるみ” や “人形” を捨てるのに “供養する” という考え自体が薄いように感じました。
しかし、”そのまま捨てる” という意見の中ですごく納得できる考え方を教えてくれた友達がいました。
ぬいぐるみを可燃ゴミとして出す友人の考え方
ボクの考えは「”モノに魂が宿る” ってのを信じているからそのまま捨てると恨まれそうで怖い」というものです。
それに対して友達 “T” の考えは「小さい頃から大事にしていたぬいぐるみなら感謝の気持ちの意味で供養するけど、大事にしていた訳でもないぬいぐるみは魂宿らないでしょ(笑)」でした。
肌身離さず持っているもの、常に愛用しているものは愛着が湧いて、それを特別視して “魂が宿っている” と考えるのはわかるけど、棚や倉庫に置きっぱなしにしてタダ保管しているものには魂は宿り様が無いでしょ?と言われてなんだかすごく納得できました。
確かに “ツクモガミ” などの妖怪も九十九年保存しておけば妖怪化する訳ではなく、使い続ける必要があるとされているようです。
ボクは “目のあるものは供養” と教わって育った為、人形やぬいぐるみは “生き物の形をしているから魂が宿る”、そこに期間は関係ないと考えていました。
供養する理由が “感謝の気持ち” というのがとても納得できます。確かに神社で “お守り” や “木札”、”正月飾り” をお炊き上げするときも理由はあくまで “ありがとうございました” の感謝の気持ちだと思います。
Tの言う「思い入れの無いぬいぐるみはそのまま捨てても大丈夫でしょ!大事なやつだけ供養に出せば?」でぬいぐるみを処分することに対しての “恐れ” が少し和らぎました。
Tの考え方を納得できない人もいるとは思いますが、ボクにはTの考え方はすごく納得できるものでした。
処分する人形への思い入れよって処分方法を変える人が多い
ぬいぐるみを燃えるゴミで出すと言った人たちもほとんどの人が 「捨てる人形によるけどね」 と付け加えていました。
ぬいぐるみや人形でも、お土産に貰ったものなどはそのまま捨てるけど、”日本人形” や “雛人形” “五月人形” などは供養に出すと言っていました。
やはり精密に人間を模したものや、子供の成長を願うなどの “縁起” に関する人形をそのまま捨てるのには抵抗がある人が多いようです。
自分の雛人形や五月人形などはこの先も捨てないというひとがほとんどですが、中には近所の神社で供養してもらったという人もいました。
スピリチュアルというほどではありませんが、やはり “罰が当たる” という考えはみんな持っているようでした。
知り合いのおばあちゃんに教えて貰った処分方法
いろいろな人に相談して、そのまま処分するという意見の人の多さに驚き、友達の考えにすごく納得してボクもそのまま可燃ゴミとして出そうと思っていました。
そんな時、知り合いのおばあちゃんと世間話をしている時におばあちゃんにも聞いてみると、おばあちゃんは自分でできる精一杯の供養をしてからゴミとして出すと教えてくれました。
おもわず「自分で供養?おばあちゃんお払いできる人?」と聞くと、「そんな仰々しい事ではなくて、感謝の気持ちを込めて丁寧に包んでからゴミとして出すだけだよ」と教えてくれました。
「それが実際に供養になっているのかはわからないけど、雑にゴミ袋に詰めて出すよりはキレイな白い布で包んで「いままでありがとうね」って言ってからゴミ袋に入れる方が自分の中で満足が出来るのよ」と言っていました。
おばあちゃんも本当に大事にしていた人形やぬいぐるみ、特に “雛人形” などは人形供養に出したそうです。
あくまで、娘が実家に残していったあまり “思い入れの無いぬいぐるみ” を処分した時にやった方法だと言っていましたが、ボクの処分したいのは自分のばあちゃんが手作りして数十年棚に押し込んだままになっていたぬいぐるみです。
まさに “思い入れが無いぬいぐるみ” だったので、おばあちゃんに教えて貰った方法で処分する事にしました。
この方法を教えて貰った事で「罰が当たりそうで怖い」という恐怖も薄める事が出来ました。
おばあちゃんが人形を捨てるときのやり方
手順① 処分したいぬいぐるみや人形を包めるだけの大きさがある清潔な “白い布” や “白い紙” を用意する
↓
手順② 広げた “白い布・紙” に処分したいぬいぐるみや人形を載せて、「いままでありがとうね」と感謝を伝えてからお塩を “パッパッ!” と振りかける
↓
手順③ 丁寧に梱包するように包んで、”布・紙” が広がらないようにテープでとめる
↓
手順④ 人形やぬいぐるみを捨てる時はゴミ袋の中はそれだけにして出す(複数体ない場合は小さめのゴミ袋を使う)
↓
手順⑤ あとはゴミの収集日に普通に可燃ゴミ(燃えるゴミ)として出すだけ
やり方は以上です。注意点という訳ではないけれど、おばあちゃんは他のゴミと一緒に一袋にまとめないようにしているそうです。
これもおばあちゃんの中で大事にしている部分なだけですが、ボクもその方が丁寧で良いと思ったのと、どのみち沢山あって何袋もぬいぐるみだけでいっぱいになってしまうので実践しました。
一度に大量に出すとご近所の迷惑になってしまうので、まとめてゴミ処理場に直接持ち込みました。
処理場の係員さんからは当然「この白いものの中身は何?」と聞かれましたが、「ぬいぐるみです。一応丁寧に捨てようと思って包んであります」と伝えたところすぐに納得してくれました。
もしかしたらこの方法でぬいぐるみや人形を捨てるひとは意外と多くて、清掃員さんにとってはあるあるだったのかもしれません。
量の多さにビックリされましたが、何とか無事に50体近い手作りのぬいぐるみを処分する事が出来ました。
燃えるゴミではなく供養に出した人形
ばあちゃんの手作りの “ぬいぐるみ” は可燃ゴミとして処分しましたが、結局供養に出したものもあります。
それは母のものでもない “雛人形” と叔父のものでない “五月人形” です。
どちらも誰のものか誰も知らず、もしかしたら母の従兄弟とかのものかもしれません。もう数十年押し入れから出されておらず、この先もとっておいてもしかたが無いので処分する事にしました。
誰のものかはわからなくて、思い入れも全くありませんが、さすがに可燃ゴミで出すのは気が引けたので翌年の神社の人形供養に持っていきました。
持ち込まれた大量の “人形・ぬいぐるみ” を神主さんがお祓いをしながら燃やしてもらって供養しました。
燃えないものは持ち込み禁止だったので、金属で出来た付属品などは効果があるかはわかりませんが、一応お塩をふってから粗大ゴミとして処分しました。
結局、丸一年ぐらい掛けてやっと祖父母の家の人形やぬいぐるみの大半を処分する事が出来ました。
まとめ
気にしない人には理解できない悩みですが、やはり今でも人形など “人や動物を模したもの” の処分は罰が当たりそうで怖いです。
かと言って供養の費用が高いので出来れば普通に捨てたいという考えもあります。
ボクは知り合いのおばあちゃんに捨て方を教わった事で一気に悩みが消えて、一気に大量に捨てる事が出来ました。
いまでもあの方法で良かったのかはわかりませんが、少なくとも10万円以上の供養費を払ったり、それがイヤだからと開き直ってそのまま雑に捨てたりしなくてよかった、と思っています。
ボクはばあちゃんの残した “ぬいぐるみ” や “人形” を捨てるのにものすごくストレスを感じました。
しかし、捨てずに置いておいてもいつかは捨てなくてはならず、片付けの最中に視界に入る度にじわじわとストレスを感じました。
しかたが無いので半ば開き直って処分して、結果スッキリしましたが、出来ればもう二度としたくないレベルです。
もう思い入れもなく、面倒で処分していないだけのぬいぐるみや人形があったら、是非ご自分で処分することを強くオススメします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。 にわけもの